フローレンスは、こどもの虐待や貧困問題、育児の孤立・孤独など、こども・子育て領域の社会課題の解決を目指し、病児保育、保育園、障害児保育、こども宅食、赤ちゃん縁組などの数々の福祉・支援事業を運営するとともに、政策提言や文化醸成などの活動を行う国内最大規模の認定NPO法人です。
時代の変化に対して柔軟に向き合いながら、こどものために、役割を超えて挑戦するフローレンスの保育士のストーリーをお届けします!
池田 耕大(こうだいくん)
保育士養成の専門学校を卒業後、2018年に新卒でフローレンスに入社。みんなのみらいをつくる保育園でのクラス担任や主任補佐を経験後、現在はおうち保育園で主任を務めている。
まずは、フローレンスへの入社理由を教えてください。
学生時代の実習先がフローレンスの「おうち保育園」だったんです。
一人一人のこどもたちと密に関われる「小規模保育」に興味を持って、たまたま調べて見つけたのがおうち保育園でした。実習してみてとても温かい園だなと感じて、そのまま入社を決めました。
実際に入社してみて、どうでしたか?
実習の時とのギャップは一切なかったですね。
入社して最初の1ヶ月間は本部で研修を受けて、5月から保育現場に入りました。最初は複数の園を担当するヘルプスタッフとして勤務していたので、いろんな園にいきました。園ごとに雰囲気の違いは多少ありましたけど、入社前と印象が変わることはなかったです。
入社して半年経って、10月から「みんなのみらいをつくる保育園(以下みんつく)」に配属になりました。実は、ヘルプスタッフとして、もっともっといろんな人やいろんな園を見たかったので、一つの園に配属されることがイヤだったんです。
でも、実際に働き始めたら、本当に素敵な先生がたくさんいて。みんつくでの出会いが今の仕事に活きているなと感じます。「先輩に負けたくない!」と思って一生懸命仕事していました(笑)
周囲の先生たちのおかげで、失敗しても大丈夫という風土や挑戦しやすい環境が整っていて、いろいろ経験したおかげで成長できたと思っています。
いろいろ経験した中でも、転換期になったのはどんな出来事でしたか?
入社4年目で経験した卒園式ですね。あれは間違いなく転換期でした。
実はその年、みらい組(乳児クラス)からつくる組(幼児クラス)に、しかもいきなり5歳児のクラスに移ることになったんです。
保育の違いもあるし、これまでずっと乳児クラスだったので、5歳児の目線に感覚を持っていくのも大変でした。
でも、その時も周りの先生たちにたくさん相談しました。だんだんこどもたちが名前を呼んでくれたり、話を聞いてくれるようになったり、そんな一つ一つが本当に嬉しかったです。たくさん大変なことがあったけど、その100倍楽しいことも嬉しいこともあったな……と。どの年もそうですが、特に印象深い一年でした。
最後の卒園式では、諦めないで一年間やり続けたことで壁を超えられたな、ひと皮むけたな、という感覚がありました。
大変だけど頑張れる、その原動力はなんですか?
目の前にやりがいがあるんですよね。仕事をする理由がずっと目の前にいてくれる。
毎日同じこどもが登園しますが、でも一人一人昨日とは変わっていたり、次の日には成長していたりして、同じ日は一回もありません。こどもたちは毎日様子が違うんですよね。だから飽きなくて本当に楽しいです!
入社6年目で主任補佐の役職に就かれてますが、何か変化はありましたか?
人としての考え方が変わりましたね。
言いづらいことを言わないといけない場面も増えましたが、「今こういう言い方しちゃダメだったんだ」と反省したり、急に指導的な振る舞いをしてしまって失敗したりとか。他人への伝え方をとても気にするようになりました。でも、やっぱり人に恵まれていて、このときも周りの先生にすぐ相談して、また振る舞いが変わったなと思います。
主任補佐を一年経験した後、今年の4月におうち保育園に異動して今は主任をしています。
おうち保育園には副園長がおらず、今度は自分のすぐ上が園長なので、最初は強いプレッシャーを感じていました。園長がいない日は、選択と責任の連続で、気を引き締め直しています。そういう意味で「立場が人をつくる」とよく聞きますが、本当にそうだなって思います。
あとは、「どの場面でもコミュニケーションを取りやすい状態にする」というのは意識しています。
自分は主任として異動したので、最初は意識してスタッフに声をかけて、自己紹介がてら、たくさんお話しました。今はスタッフと、とてもコミュニケーションが取りやすくなっています。
そう考えると、役職の経験も転換期ですね。あれ?転換期ってこんなに何回も来るんですかね(笑)
こうだいくんが、これは挑戦したな!と思うことはなんですか?
とても意識しているのは毎日の言葉がけですね。これをやり続けること自体が挑戦だと思っています。
保育士になりたての頃って、自分の機嫌がいい日はこどもにもよい言葉がけができるけど、機嫌が悪い日はちょっと冷たくなっちゃうみたいなこと、たぶんよくあることだと思うんです。余裕もないし、目の前のことでいっぱいになっちゃうので。でも、そうならないための自己管理をとても意識していて、言葉がけに一定以上の質を保てるようにしています。
感情の波があるのは仕方ないけど、それでこどもが不利益を被るのは違うと思うんです。大人同士の関係性についても「今日はイライラしてる?それとも機嫌いい?」って思われたくなくて。いつでも話しかけていい人でいたい。でもこれって、余裕がないとできないんですよね。本当に毎日が自己管理です。ずっとずっと意識してますね。
入社してから今までで、保育園を取り巻く環境が大きく変わっていると思います。自分の仕事にどんな影響を及ぼしていると感じますか?
「こども誰でも通園制度」や「医療的ケア児の受け入れ」など、フローレンスでも新たな取り組みが始まっていますが、個人的には待機児童の解消が結構大きい出来事だと思っていて、自分の働き方にも影響があるなと感じています。どうやったら選ばれる園になるんだろう?と考えることが増えました。一緒に働いているスタッフの様子を見ても、絶対この園にこどもを預けたほうがいいなと思っているので、どうやったらスタッフの良さをアピールできるんだろう?って考えたり。
確かに入社した頃から時代の変化はありますけど、でも、その時々で目の前にいるこどもを見るのが保育士だと思ってるので、何もギャップはありません。こどもたちに楽しく過ごしてもらうことが大切なので、どんなこどもが来てもそれは変わりませんね。
今後、挑戦してみたいことはどんなことですか?
「こども食堂」をやってみたいです!みんつくにいた時に、何回か園でこども食堂を開催したのですが、園児だけではなく、地域の親子も来てくれて交流の場になっていたんです。家に帰ってご飯を作る必要がなくなるのでご家族のお手伝いにもなるし、こどもたちも楽しそうだし、いいことがたくさんあります。必要としてる人も多いんだっていうのを実感したので、いつか個人でもやってみたいです!
フローレンスにはあなたの熱い想いを実現する場所があります。親子を取り巻くさまざまな困りごとを、わたしたちと一緒に解決していきませんか?