フローレンスの保育園では、こどもたち一人一人の意見を尊重し、自分のため、誰かのため、自ら考え行動する力を育むシチズンシップ保育を実践しています。
そんなシチズンシップ保育の事例をお届けする連載企画「わたしとシチズンシップ保育」
保育者が日々の保育の中で感じたシチズンシップなエピソードをぜひご覧ください!

こどもたちと「どこの公園に行きたいか」を話しているとき、2歳児クラスの子が「〇〇公園に行きたい」とリクエストしてくれました。この公園は保育園から遠いため、行くには給食の時間を遅らせる必要があります。ただ、この日はこどもたちのお昼寝時間に職員会議が予定されていて、給食と午睡の開始時間をいつもより早める必要がありました。
普段から、難しいことやこどもたちにはわかりにくいことでも、理由があるときはきちんとかみ砕いて説明するようにしています。この日も、ただ「行けないから別の公園にしよう」と伝えるのではなく、「今日は先生たちが会議をする時間があって、給食がいつもより早いから、遠い公園には行けないんだ。近くの他の公園にしてくれると、たくさん遊べるよ。〇〇公園は、またゆっくり行けるときにしよう」と、理由を添えて伝えました。
すると、こどもたちは「お話の日なんだね」と納得してくれて、「じゃあ、◇◇公園はどう?」と近くの公園を提案してくれました。その結果、みんなでその公園までお散歩に行くことができました。
シチズンシップ保育5つの基本①「感情を知る・感じる」

シチズンシップ保育をやる前までは、このようなことがあったときに、「今日はその公園は難しいかな~」と、理由をあまりはっきり伝えずに、あいまいに断っていました。そうすると「なんで?なんで行けないの?!」と反発があったり、反対に「行けないと言われたら仕方ない」と、無条件で受け入れるような様子も見られたように感じます。
理由をしっかり伝えたからといって、すぐに気持ちを切り替えられないこともありますが、そのような経験を積み重ねたことで、こどもたちも「お話の日なら仕方ない」と納得してくれたり、近場を提案してくれるようになりました。
大人の都合ではありますが、こどもたちに「やらなければならないこと」の理由を伝えることで、相手の状況や考えを知り、こどもたちなりに納得して気持ちを切り替えることができます。また、きちんと理由を伝えることで、わたしたち大人も曖昧なごまかしをせずに済むようになります。大人もこどもも対等に話し合い、お互いの状況や思いを共有しながら考えを擦り合わせていけることが、シチズンシップだと感じています。
いろんな感情を知る経験を重ねると、人がどういう時にどんな気持ちになるか、相手の立場になって考えることができるようになっていきます。乳幼児期に自分と他者の「気持ち・感情」と向き合った経験は、人と関わる力の基盤になると私たちは考えています。
相手の立場になって考えることができるようになるということは、協同性、創造性が養われ、思考力、判断力、表現力、やがて道徳性や規範意識の芽生えなどへとつながっていくことになります。豊かな感性や人間性を培っていく原点となるのです。
行きたい!と言われたお散歩先にどうしても行けない……そんなとき、あなたならこどもたちにどのように伝えますか?
「こんなときどうする?」を、フローレンスの保育園で一緒に話してみませんか?ぜひ、保育体験の「シチズンシップ体験コース」にご参加ください♪
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