対談・インタビュー

シンプルで誰でもできるような仕組みを考え、支援の輪を広げていく

ビジネス職
    中途入社事業企画・政策提言

「こどもたちのために、日本を変える」。

フローレンスは、こどもの虐待や貧困問題など、親子をとりまく社会課題の解決のため、病児保育、保育園、障害児保育、こども宅食、赤ちゃん縁組など数々の事業を全国で運営する国内最大規模のNPOです。同時に、課題を仕組みや構造から解決するため、国や自治体への政策提言を行い、制度を新設・アップデートしています。

社会課題の解決に向けて事業を創る、政策提言を実現するには、国や自治体、NPO、民間企業といった外部の多種多様なプレイヤーを巻き込み挑むことが必要です。

そしてこの役割を担っているのが、経営直下のチーム、代表室のメンバーです。ひとり3~5件程度のプロジェクトを担当し、成功・実現に向けてマネジメントしています。

今回は「事業開発」をテーマに、さまざまな新規事業を生み出して広めていくストーリーを代表室のメンバーに話を聞きました。

岡野 優華

岡野 優華

新卒で大手日系航空会社に就職し、国際貨物輸出業務や国際貨物代理店営業の経験を積んだ後、日本経済団体連合会に出向。国際関連の政策提言を担当。困っている親子、身近な社会課題に対してどうにかしたい!という気持ちをきっかけに2021年にフローレンスに入職。

フローレンスへの入社のきっかけについて、教えてください。

ひとり親家庭をはじめとしたさまざまな家庭の課題、親子の課題を抱えている友人が身近にたくさんいました。親子の社会課題は「世の中の誰か」が困っている課題ではなく、当事者がイメージできる身近なところに起きているものだと気が付いたんです。
こんなに身近なところに起きている社会課題に対して、何かしたい!わたし自身が何かしなければいけないのではないかと気持ちが沸き上がり、フローレンスへ来ました。

また、わたし自身のこどもたちが将来の夢を考え始めた時に、「好きなこと・やりがいを感じるものを仕事にするんだよ」と伝えたのですが、わたし自身がそうでないとだめだ、背中を見せなければいけないと思ったことも転職したきっかけです。

事業開発のお仕事について教えてください。

担当している「保育園こども食堂」の取り組みを例にお話ししますね。
こども食堂は世の中にたくさん増えてきていますが、保育園でこども食堂をやっているケースは少ないというのが現状です。

フローレンスではじめたきっかけは、現場の園長先生の「地域で育児に困っている家庭とつながりたい」「こども食堂をやりたい」という声でした。

その背景には、2つの社会課題がありました。
1つ目は無園児家庭の孤立という社会課題です。
保育園や幼稚園に通っていない未就園児(無園児)家庭は社会とのつながりが希薄になりやすく、特に、専業主婦家庭では、平日の子育ての分担を母親ひとりで対応している割合が高く、精神的な負担や子育てについての悩み、不安を感じる割合も高く、孤立しやすいという課題です。

2つ目は、少子化による保育園の空きが増加しているという課題です。
まだまだ地域によって差はあるものの、待機児童の社会課題が解決されてきていることは良いことです。
その一方で、園児数が減り、経営が成り立たないことで閉園する施設が増えてきているという事実もあります。
もっと保育園を地域にひらき、地域の親子支援を行っていく必要があるというフェーズになってきています。

現場の声がきっかけというのもフローレンスだからこそですね!

現場と隣接しているフローレンスだからこそ、新たな社会課題と常に向き合い、一つずつ解決していき、目指す社会を実現していくことができると思っています。

保育園こども食堂は、こども食堂の良さに加えて保育園だからこその良さを実現・提供できると考ええています。
保育園にはこどもの発達や発育の専門家である保育士がいるので親御さんの育児に伴走ができますし、普段こどもたちが生活している場所だからこそ、安全安心に過ごすことができるなどたくさんのメリットがあります。
また、保育園こども食堂の利用をきっかけに、継続的に親子と関係を構築しながら見守り、例えば保育園の一時預かりや必要に応じて行政の支援につなげていくことができるのも良さです。

結果、利用者だけではなく園からも「新たな地域とのつながりできてよかった!」「この取り組みをきっかけにスタッフ間のコミュニケーションがより活発になった!」と嬉しい声をたくさんもらい、これはフローレンスに閉じるのはもったいない、全国に広めていこうという動きにつながっていきました。

どんな風に全国に保育園こども食堂を広めていったのでしょうか。

2023年に保育園こども食堂等を実施する事業者向けに助成事業を開始しました。
フローレンスとしては助成金を受け取り事業を運営するということはあっても、わたしたちが助成をすることはなかったので新たな取り組みでした。
中間支援法人として、資金助成のほか、申請や精算業務、事業計画の策定などの伴走を行っています。

応募いただいた団体は初めて保育園こども食堂にチャレンジする園が大半でしたが、意義やノウハウをしっかりとお伝えすることで、わたしたちだけがやっているのでは到底届かない数のご家庭に支援を届けることができました。
改めて「広めていく」という大切さを感じましたね。

「広める」がフローレンスの事業開発の特徴でしょうか。

そうですね!

いわゆる営利企業の事業開発のお仕事はいかに独自性を出すかが大事になるかと思うのですが、わたしたちは「いかに真似てもらうか」をすごく考えていますね!

シンプルで誰でもできるような仕組みを考えないと広がっていかないからです。

広げることでより多くの人たちに支援を届けることができるので、どんな事業なら広がるかを常に考えるのがフローレンスの事業開発だからこその特徴であり、やりがいだと思っています。

「広める」ために周知活動に力を入れています。例えば、好事例を集めた冊子の作成や新聞やテレビ取材などですね。こういった活動があるんだということをまずは知ってもらうことが大切です。

また、良いことだけを伝えるのではなく、利用者・事業者向けのアンケートを実施するなどして効果や課題を定量的に伝えることにも取り組んでいます。

わたしたちが保育園こども食堂をはじめた当初、自治体としても初めての取り組みだったためなかなか理解が得られず、開始するまでに半年~1年ほどかかったんです。

そこで、「政策提言」というアプローチを行い、国に対して保育園こども食堂の効果を説明し、保育園こども食堂を推進していく旨の通知を行政向けに出してもらいました。これにより、全国で保育園がこども食堂を始めやすくなったので、今は認知を拡大して仲間を増やしていくフェーズになっています。

まず社会課題を見つけて、それに対する小さな解・モデルを創る、それをブラッシュアップしながら全国に広めていく、「広める」ために政策提言・ソーシャルアクションを行っていくというのがフローレンスの柱になっています。

フローレンスの事業開発の仕事に興味を持った方へメッセージをお願いします。

「これやってみよう!」「あれもやってみよう!」と新しいことがどんどん入ってくるのがフローレンスです。
何も道がないところに道をつくっていくような、前提が決まっていないところを試行錯誤しながら進めていく仕事なので、「チャレンジしたい!」「とりあえずやってみよう!」という行動力がある方は、きっとわくわく楽しみながら取り組んでいただけるのではないかと思っています。

フローレンスの仲間たちは、みんな前向きで前のめりです!
大変なことがあってもなんとかなるってみんなが思っているし、なんとかする。想いの強さだけでなく、想いを形にする実行力も素敵です。わたし自身、毎日が楽しくてしょうがない気持ちで、元気をたくさんもらいながら働いているので、新しい仲間が加わってくれたら嬉しいです!

フローレンスの代表室は組織内の垣根を超え、国や自治体、NPO、さらには民間企業といった外部の多種多様なステークホルダーを巻き込み、様々な社会課題の解決に挑む、社会変革の最前線を担っています。

そんなフローレンスの代表室のメンバーとして、社会をアップデートするアクションを共に仕掛けてくれる仲間を大募集しています!

ご応募、お問い合わせをお待ちしております!

関連する対談・インタビュー