1枚の過去記事から始まった、わたしの大冒険
入社してまだ月日は浅く、目の前の仕事に無我夢中な毎日の中で、ふとわたしは未来に思いを馳せていました。「負の連鎖を止めたい。生まれながらの環境でこどもたちの選択肢が狭まる社会を変えたい」、そんな強い課題感を胸にフローレンスに飛び込んだものの、日々のタスクを前にして「今のわたし、ちゃんと社会を変える一歩を踏み出せているのかな……」と、一人でもどかしさを抱えていたのです。
そんな時、過去のインタビュー記事で、ある先輩の言葉に出会いました。
「現場での1対1の支援だけでは、世の中の困っている親子を救いきれないもどかしさがある」
「――あ、わたしと同じだ」
社会への強い危機感と、同時に抱く圧倒的なもどかしさ。7年前の春、わたしと同じように新卒でこの門を叩き、社内で太陽のように明るく働くDXDチーム(全社デジタル推進を担う部署)の「みかんさん」。
みかんさんの歩んだ7年を追いかければ、わたしの、そしてフローレンスに新卒で入社する方の未来の可能性が見えてくるはず。今回は新卒のわたしが憧れの大先輩へ、タイムスリップ・インタビューに挑みます!

ひーちゃん
(2026年4月新卒入社) 学生時代は臨床心理学科を専攻。こどもの生まれ育った環境によって、可能性や選択肢が理不尽に奪われてしまう社会をなくし、根本的な問題解決に挑みたい!という強い思いを持ってフローレンスへ入社。現在は新卒スタッフとして基礎を叩き込んでいる真っ最中です!

みかん
(2019年4月新卒入社) 学生時代は放課後デイサービスやひとり親家庭の学習支援員を経験。入社して5年間は病児保育事業部に所属し、現在はウェブ周りを担当。
ビジョンが変わっても、通ずる情熱
――「新卒でNPO」、その想いは

みかんさん、今日はよろしくお願いします!実は、みかんさんの過去のインタビュー記事を拝見して、当時の志望動機が今のわたしと重なりすぎて勝手に感動してしまい、今日お話しできることをずっと楽しみにしていました。

わあ、そうなの!嬉しい。何でも聞いてね。

ありがとうございます!まずは7年前にタイムスリップした体でお聞きしたいのですが、当時、数ある選択肢の中でなぜ『NPOのフローレンス』だったんですか?なにかそこに特別な想いなどはあったんでしょうか?

実はね、当時は「新卒でNPOだから」って特別に身構えていたわけでも、周りとの違いに強い違和感があったわけでもなかったの。一般企業を受けるのと同じ感覚というか、大学時代に学んできたことの延長線上にフローレンスがあったから、自分の中ではすごく自然な選択だったんだよね。ただ、いろいろ就職先を探していく中で「ここしかない」って思える場所が限りなく少なくて、その唯一の光がフローレンスだった。

特別枠としてではなく、あくまで自分の学びを活かす「ベストな就職先」として選ばれたんですね。

そうそう。大学で学んだことを社会人になって「形骸化」させたくない、お飾りにしたくないっていう強い想いがあったんだ。
――ビジョン・ミッションの変遷を超えて

みかんさんが入社された当時のフローレンスのビジョン・ミッションって、今の組織で掲げているものの「1つ前」のバージョンですよね。でも、表現は変わっていても、みかんさんが当時抱いていた想いと、今のわたしたちが目指す軸には、通じ合うものがある気がしています。

本当にその通りだと思う。言葉の形は時代に合わせて進化していくけれど、根底にある「親子の笑顔をさまたげる社会問題を解決する」という熱量は、7年前も今も何も変わっていない。だからこそ、今こうして新卒のひーちゃんとわたしが同じ熱量で話せているんだよね。

完璧に見える先輩の、奮闘した1年目
――病児保育事業部での葛藤と「半径1メートルの世界」

今ではDXDチームで活躍されているみかんさんですが、最初に配属されたのは「病児保育事業部」だったと伺いました。そこで何か、壁にぶつかったことはありましたか?

最初は本当に、目の前の業務と「社会変革」という大きな目標とのつながりが全く見えなくて、モチベーションの維持にすごく苦しんだの。最初の仕事はマニュアルを作る作業だったんだけど、「いまわたしがやっているこのタスクが、一体どう形になって、さらにどう社会へと繋がっているんだろう?」って、当時は全然理解できなくて。

(深く頷きながら)……すごく分かります。大きなビジョンに共感して入ったからこそ、日々目の前の作業を連続していると、ふと立ち止まってしまう時があります。

そうだよね。でも、その時先輩スタッフから言われた「世界を変えるのは、自分の半径1メートルからだ」っていう言葉に、ハッとさせられたの。まずは目の前にあるその作業を体系化して、現場を良くすること。そこからしか世界は変わらないんだって腑に落ちた。それが「最初の壁」を乗り越える脱出のプロセスだったかな。
――壁を乗り越えて見えた「意味づけ」の力

その壁を乗り越えたことで、自分の中にどんな成長や変化がありましたか?

入社して3、4年目になると自分のキャパシティも増えて、今度は後輩のOJT(育成)を担当するようになって、その時に「業務の意味や本質的なモチベーションを自分で見出せないと、仕事は進化しないし、後輩にも深く教えていけない」って気付いたんだよね。仕事に自分の「気持ち」を乗せて、意味づけをしていくことの大切さを学んだ。
フローレンスの仕事って正解がないから、自分で決めることが多いでしょう?でも、それを「自分で決められるからこそ、楽しい!」って思えるマインドに変わっていったのが、この時期の大きな成長だったと思う。
「支援の前線」を支える土台を作る仕事
――事業部をまたいだ異動の解釈

学生時代は放課後デイサービスやひとり親家庭の学習支援に携わり、入社後は病児保育事業部で4〜5年。そして現在のDXDチームへ異動されたんですよね。現在の業務は「社内のしんどい作業をデジタル化して楽にする」ことだと伺いました。 わたし、この歩みを拝見して、これまでがこのように繋がっていると勝手に解釈していたんです。
〝直接支援の現場という前線 < フローレンスの事務局という現場からは一歩引いた立場から、支援と社会改革を目指す < そのフローレンスという組織自体を改革し、全社のパフォーマンス向上のための土台を作る〟
みかんさんは、ご自身のこのキャリアの軌跡をどう意味づけされていますか?

その解釈、すごく嬉しい!まさにその通りかもしれない。大学時代に学んでいた社会福祉や障害福祉の知識も実は、巡り巡って今のDXDチームの業務にそのまま活きているの。その当時は「支援の前線」にいたけれど、今は「社会を変えるために奮闘している仲間たち」の土台を作ることで、間接的に社会変革のスピードを加速させている。
異動を経て、大学時代の学びや、あの時には気に留めてなかったさまざまな仕事が、今の仕事と一本の線で繋がった感覚があるんだよね。
――「伝えること」の難しさと、今なおぶつかる壁

学生時代から入社後の7年間が繋がっているんですね!やっぱり入社してから7年経った今でも、難しさや壁を感じることはありますか?

今でも全然壁にぶつかるよ!(笑)
特に今は、全社に向けてデジタル化を推進する立場になったからこその壁がある。「どうすればみんなに伝わるか」「どうすれば現場がストレスなくシステムを受け入れてくれるか」という、伝えることの難しさに日々直面している。伝えることが同じ内容だとしても、相手によって柔軟に伝え方を変える必要もあるからね。
でもね、だからこそ、自分で自分の機嫌をとって、モチベーションを上げていくスキルも7年で身についたよ。
――手放した「100点」と、一貫する「誠実さ」

そのスキルも含めて、フローレンスで働く中で、強まった価値観や新しく得た価値観はありますか?

入社した時の研修で、先輩から「みかんさんは誠実だね」って言われたのがすごく心に残っていて。物事や他者に「誠実に向き合う」という軸は、7年間ずっと一貫して強まり続けている。
一方で、新しく得たのは「チームで働くからこその妥協点」を受け入れるしなやかさ。自分ひとりのこだわりで100点満点の理想を追い求めて不誠実になるより、みんなにとって今ベストな「真ん中」や、みんなが心地いい着地点を見つけることの方が、組織としてはるかに価値があるんだって気づけたの。

7年前の自分、そして新卒のわたしへのメッセージ
――「失敗」なんて、一つもないよ

もし今、タイムマシンで7年前の、今のわたしと同じように新卒で奮闘している自分に会いに行けるとしたら、なんて言葉をかけてあげたいですか?

そうだなあ、2つある。
1つ目は、「いま自分が失敗だと思っていることは、何一つ失敗じゃないよ」ってこと。だから恐れずに進んでほしい。新卒のうちは「わかんなかったら、わかんない」って素直に言えるし、純粋な疑問を周りにぶつけられる特権があるんだから、それをフルに使い倒しなさい!って言いたい(笑)

すごく心強いです。

2つ目は、「誰かを支援する、社会を変えるっていう営みには、本当にいろんな人が関わっているよ」ってこと。自分の目の前の分野だけでなく、違う立場や違う職種の仕事にも興味を持って知ろうとすることが、まわり回って自分の視野をすごく広げてくれるからね。
――フローレンスで輝き続ける人の共通点

最後に、フローレンスに入社してから8年目を迎えたみかんさんへお伺いしたいことがあります。「どんな想いを胸に抱いている人」が、フローレンスで自分らしく輝き続けられると思いますか?

フローレンスには本当に多様なプロフェッショナルたちが集まっているけれど、みんなに共通しているのは、こどもを介した「ピュアさ」とか「人間らしさ」を持っていること。 だから、「自分の目線を柔軟に変えられる人」や「自分の感情の源泉(なぜ今、自分はこう感じているんだろう?)をフラットに見つめられる人」、自分のご機嫌を自分で取りながら、変化を楽しめる人なら、きっとこの場所でいくらでも輝けると思う!

インタビューを終えて
インタビューを終えて、驚いたのは、みかんさんの7年前のスタート地点が今のわたしと本当にそっくりだったことです。あの憧れの先輩も、かつてはわたしと同じように悩み、もどかしさを抱えていたのだと知り、胸が熱くなりました。
みかんさんが行き着いた「相手によって伝え方をその都度変える」姿勢や「心地よさを大切にする」こと。それは、目の前の人に誠実であり続けたからこそ見出せた大切な軸なのだと思います。
今のわたしは、どうしても自分の知っている領域や目の前の仕事だけで頭がいっぱいになり、視野が狭くなりがちです。でも、視点を変えれば、すべての仕事が地続きで社会変革に繋がっている。
まずは今の自分の立場を受け入れて、焦らず、いつか7年先の後輩に「失敗なんて一つもないよ」と笑ってバトンを渡せるように。自分のキャパシティを広げていくところから一歩ずつ頑張っていこうと思います。





