日勤が終わり、数時間の仮眠をとって、そのまま次の夜勤へ。
こどもの命を守る仕事に誇りを持ちながらも、ふと「この働き方を、この先もずっと続けられるだろうか」と立ち止まったことはありませんか。
現在フローレンスで看護師として活躍する佐藤さんも、そんな葛藤を抱えていた一人です。
病院でのやりがいはある。でも、40代、50代になった自分の姿が思い描けない。かといって、安定した給与や積み上げてきた経験を手放すのも怖い。
迷いを抱えたまま、それでも転職に一歩を踏み出した佐藤さんに、転職までの揺れる想いと、その先で見えたものを伺いました。

佐藤仁美
前職は小児専門病院のPICU勤務。主に急性期・重症疾患のお子さんを担当。2020年にフローレンスに入社。医療的ケアシッターナンシーで4年間勤務後、産休育休を経て2025年4月から障害児保育園ヘレン勤務。
「この働き方、あと20年続けられる?」病院で感じた将来への葛藤
新卒から小児専門病院のPICUで勤務し、基礎疾患や障害のあるこどもたち、また病気の後遺症を抱えるこどもたちなど、さまざまなこどもたちと関わってきました。
その中で、高度な治療やケアが行われるその場所に、専門職として立ち会い、こどもたちに直接関わり続けること。それ自体は、わたしにとって大きなやりがいでした。
しかし、夜勤明けの数時間の仮眠から、そのまま深夜勤へ。委員会活動や残業が重なる毎日。目の前のこどもたちに必死に向き合い、全力で看護に打ち込み続けてきたわたしは、ある時ふと思いました。
「20代の今でさえこんなに疲れているのに、40代、50代になってもこの生活を続けられるだろうか……」
夫も夜勤のある仕事で、近くに頼れる親戚もいない。将来を思い描こうとしても、今の働き方の先に自分の生活は見えてきませんでした。
仕事もプライベートも大切に。病院以外で見つけた看護師の働き方
「仕事もプライベートも、大事にしたい」そんな想いをもって、転職活動をはじめました。
実は、もともと在宅看護や訪問看護を志していたわけではありません。偶然聞いた「フローレンス」という名前が気になって検索したのがきっかけでした。
それから目にするようになったのが、当時立ち上がったばかりの「医療的ケアシッターナンシー」。
医療的ケアが必要なこどもたちの日常や発達を支える仕事だと知り、興味が湧きました。
だけど、興味が湧いたからといって「すぐに転職しよう」とはなりませんでした。
病院の安定した給与や、手厚い体制を手放すのは正直怖かったです。
電車通勤ですら学生時代の実習以来でしたし、新しい環境へ飛び込む不安は、もちろん小さくありませんでした。
それでも「仕事もプライベートも、両立していきたい!」という気持ちが勝り、気づけば申込みフォームを送信していました。振り返れば、ほとんど勢いだったと思います。(笑)
病院から地域へ。転職して気づいた「暮らしを支える看護」
もちろん、病院からフローレンスに転職して、手放したこともありました。
夜勤手当がなくなり、年収は下がりました。
また、点滴や採血のような、目に見える「看護師っぽさ」を発揮する場面は、病院のときと比べると多くはありません。
「今まで積み上げてきた経験がリセットされてしまうのでは」「他の病院に戻れなくなるのでは」、そんな不安を最初は感じていました。
その不安や迷いが少しずつ和らいでいったのは、地域でこどもたちの暮らしに触れた瞬間でした。
病院と比べて、地域でこどもたちと関わる中で目にしたのは、人工呼吸器をつけたままでも、元気に動き回るこどもたちでした。
「呼吸器がついていても、こんなに活発に暮らせるんだ」と、強い衝撃を受けたのを覚えています。
また、一人のこどもと家族を支えるために、主治医、訪問看護師、ヘルパーなど、どれほど多くの人が関わっているか。
支援は目的ではなく、「こどもと家族がやりたいことを叶えるための手段」なのだと気づいたとき、看護に対する視野が一気に広がりました。
そしてフローレンスには、病院経験30年のベテラン、成人救急をくぐり抜けてきた人、大学病院出身者など、バックグラウンドの異なる看護師たちがたくさんいて、それぞれの知恵やノウハウを持ち寄っています。
「前例がないから」と諦めるのではなく、「どうすればこの子の『やってみたい』を叶えられるか」をフラットに話し合える風土も、病院から転職したわたしにとっては新鮮でした。

夜、ぐっすり眠れる幸せ
何より大きく変わったのは、自分自身の生活です。
土日祝日に休め、「今週もやりきった」と実感できる。夜は自分の布団で、朝までぐっすり眠れる。そんな当たり前のことが、自分の心と体をどれほど救ってくれたか分かりません。
自分が健康で、心に余裕があるからこそ、目の前のこどもや家族の想いにじっくり耳を傾けられる。
「自分も健康でありながら、誰かの生活を支える看護」へ。
この生活リズムは、転職したからこそ得られた、看護師として長く働き続けるための財産になっています。
転職を迷っている看護師のあなたへ
「過酷な勤務で心身共に限界」「でも今の仕事を離れるのが怖い」「自分に地域看護ができるか分からない」そう感じているなら、伝えたいことがあります。
完璧な準備も、在宅の知識も、最初から持っていなくて大丈夫です。
わたし自身、知識はほとんどゼロで、新しい環境に飛び込みました。
給料は下がるかもしれません。
目に見える手技が増えるわけでもないかもしれません。
けれどここには、医療的ケアが必要なお子さんとその家族の暮らしを丸ごと支える看護の醍醐味と、夜ぐっすり眠れる健康的な生活、そして共に知恵を絞れる温かい仲間がいます。
病院で培った経験は、形を変えて必ずこどもの笑顔とご家族の支えになります。
まずは一度、わたしたちに会いに来ませんか。あなたと一緒に働ける日を、心から楽しみにしています。

病棟から地域へ!「こどもにじっくり寄り添う現場」を選んだ看護師体験談(2026/10/31開催)

病棟から地域へと働く場所を移した看護師が登壇する、看護師向けトークイベントを10月31日(土)に開催!
転職を考えたきっかけや、病棟から転職しての仕事の変化、医療的ケアが必要なお子さんとの日々の関わり、地域で働く生活リズムなど、実際に働いているからこそお伝えできるエピソードをご紹介します。





