対談・インタビュー

障害児保育園ヘレン園長の座談会(後編)

対人支援職(保育スタッフ)
対人支援職(看護スタッフ)
    障害児・医療的ケア児家庭支援

障害児保育園ヘレンの開園から10年以上が経ち、あらためて「ヘレンの保育って、どんなもの?」という問いに立ち返るために、ヘレンの園長3人が集まり座談会を行いました。

今回の記事では前編後編と2記事にわたり、その座談会の様子をお伝えしています。前編では、ヘレンの保育で大切にしている「遊び」や、それぞれの職種の役割についてお話を伺いました。
後編ではさらに、連携のひみつややりがいの話まで、トークは止まりません!それでは、いよいよ後編へどうぞ!

障害児保育園ヘレン 園長の座談会(前編)
「すべてのこどもが保育を受けられ、保護者が働くことを選択できる社会」そんな願いのもと、障害児保育園ヘレンは障害や医療的ケアがあるこどもたちを受け入れる長時間保育を実現しました。開園…
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ちがうからこそ、いいチームになる。

保育スタッフ、看護師、それぞれ異なる専門性を持ったスタッフたちがチームとして大切にしていることや、うまく連携していくための工夫について教えてください。

木村園長

それぞれ立場や専門性がある分、感じ方や判断が分かれる場面ってあるんですよね。そういうときに、間に入ってお互いの声をしっかり聞いて、一緒にどうするかを考える。その橋渡しをするのが、園長としての役割のひとつだと思っています。日頃からミーティングの持ち方や関わり方を工夫してきたことで、今のような自然な連携ができているのかなと感じています。

小田園長

ひとつの出来事でも、保育スタッフと看護師では受け取り方が違うことがあります。でもそれは当然で、だからこそ「なぜそう感じたのか」を言葉にして伝え合うことが大切なんですよね。

スタッフのみんなも、日ごろから対話することを大事にしてくれていて。職種ごとの話し合いの内容も、全体で共有できるように記録を工夫したり、伝え方を考えたり、そうした積み重ねがチームの力につながっていると感じます。

勝木園長

「保育」「看護」の職種で意見をくくることはなく、課題に対してフラットに話し合っています。何かあったときに、すぐその場で相談し合えるし、看護師が保育ミーティングに入ってくれることもあって。お子さんのことを一緒に話し合う時間が自然と増えています。

小田園長

それぞれの専門性に「すごいな」って思う気持ちがあるからこそ、ちゃんと話そうってなるんだと思います。「自分にはできないことをやってくれてる」「それがあるから毎日の運営が成り立ってる」って、みんながちゃんと感じてる。そういう感謝とかリスペクトがあるから、チームとしてうまくやれてるんだと思います。

ヘレンで大切にしていること

ヘレンで大切にしている“こどもを中心にした保育”について、ぜひお話を聞かせてください。皆さんが日々の保育やチームでの関わりの中で、どんなことを大切にしているのかを伺えたら嬉しいです。

木村園長

ヘレンでは、「こどもを中心にものごとを考える」ということを、いちばんの軸にしています。大人の都合で決めようとすると、どうしてもこどもの視点が置き去りになってしまうことがあるんですよね。だからこそ、何かを判断するときは「こども主体かどうか」を一番大切にしたいと思っています。

それから、スタッフ同士のコミュニケーションもすごく大事にしています。やっぱり、関わる大人たちが楽しく働いていることって、こどもにも自然と伝わると思うんです。シンプルに言うと、「楽しい職場にしたい」ってことなんですけどね(笑)。でもそれって、こどもにとってもすごく大事なことだと思っています。

小田園長

ヘレンで大切にしているのは「こどもたちが安心して、リラックスして過ごせること」です。その安心感があるからこそ、こどもたちは自分らしく過ごせるし、笑顔になれるんですよね。

そのためには、看護、保育、リハ職、それぞれの専門性が欠かせません。たとえば看護師は、体調の変化に気づいてサポートしてくれたり、急変を防ぐためのケアをしてくれたりします。でも、体調管理だけでは、こどもが楽しく過ごせるとは限らないんです。

こどもが「今日は楽しかった!」と思える日になるには、その子に合った遊びが必要です。そこは保育スタッフたちの出番で、毎日いろんな工夫をして、こどもたちが夢中になれるような遊びを考えてくれています。

でもその遊びに夢中になるには、身体の使い方や姿勢の工夫も必要なことがある。そこでリハ職のスタッフが、「この子にはこういう姿勢がいいかも」って視点をくれるんです。そうすると、こどもが無理なく遊びに入っていけるようになる。そうやって、保育・看護・リハビリ、それぞれの力が重なって、こどもたちの「できた!」「たのしい!」につながっていくんですよね。

いろんな職種が集まっているからこそ、視点も価値観もいろいろある。それが難しさでもあるけれど、だからこそヘレンとして出せる支援のかたちがあると思っています。

やりがいは、こどもの笑顔と、育ち合う喜び

いろんな専門職が連携するチームで、日々の保育をつくってられていますが、その中で感じる「やりがい」や「嬉しい瞬間」をぜひ教えてください。

木村園長

こどもたちの笑顔を見ると、本当にこの仕事をやっていてよかったと心から思います。こどもがニコッと笑ってくれるだけで、わたしもすごく癒されます。保育室に顔を出しに行くときに見られる笑顔が何よりの励みです!

その笑顔の背景には、周りのスタッフがしっかり支え、安全が確保されているだからこそこどもたちは安心して楽しく過ごせるんだと思ってます。

ちょっとキザに聞こえちゃうかもしれないけど(笑)楽しい笑顔があふれる園の姿に、大きな満足感とやりがいを感じてるんですよね。正直なところ、わたしにとってそれがこの仕事を続ける一番の理由です。

小田園長

わたしも一番大切に思っているのは、やっぱりこどもたちの笑顔です。そして、それと同じくらい大切にしているのが、保護者の方が安心してお子さんをヘレンに預けられて、自分の仕事ややりたいことに取り組める環境を作れているかなというところですね。

そういう状況は、たくさんのスタッフの努力や、時には奇跡のようなことが積み重なってできているんだと思ってます。だからこそそこにやりがいを感じています。

それから、スタッフのこともすごく大切に思っています。スタッフが楽しそうに働いているのを見るとわたしも自然と嬉しくなりますし、もし悩みがあれば一緒に考えて、解決のヒントを見つけられたときには本当に嬉しいです。

勝木園長

地域の中で、こどもと保護者の居場所をつくれているという実感があります。継続して園を運営し続けることで、社会に貢献していると感じます。

ヘレンに向いている人、一緒に働いてみたい人

では最後に「こんな人はヘレンに向いている」「こんな人と一緒に働きたい」と思う人物像を教えていただけますか?

木村園長

こどもの笑顔に癒やされる人や、こどもを中心に考えられる人かな。まずはこどもが好きという気持ちが一番大切です。

小田園長

すぐに答えが出ない複雑な状況でも、他職種へのリスペクトを持ちながらコミニュケーションを取っていける人ですかね。そして木村先生が言っていたのと同じく、こどもを中心に、柔軟に考えて動ける人が向いていると思います。

勝木園長

自分の考えをしっかり持ちながらも、こだわりは手放して他者の意見を受け止められる人。そんな人と一緒に働きたいですね。

改めて実感したのは、「保育」は一人の力だけで成り立つものじゃないということ。ヘレンには保育スタッフ、看護師、リハ職と多様な専門家がいて、それぞれの視点を持ちながらも、共通のゴールはいつも「こどもたちの毎日をより良くすること」。このぶれない軸があるからこそ、自然な連携と対話が生まれているんだと思います。

こどもたちの笑顔やスタッフのやりがいにつながるこの日々の積み重ねを、もっと多くの人に知ってもらいたいと思いました。

ヘレンでは現在看護、保育、リハ職のスタッフを募集しています。

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