対談・インタビュー

障害児保育園ヘレン 園長の座談会(前編)

対人支援職(保育スタッフ)
対人支援職(看護スタッフ)
    障害児・医療的ケア児家庭支援

「すべてのこどもが保育を受けられ、保護者が働くことを選択できる社会」そんな願いのもと、障害児保育園ヘレンは障害や医療的ケアがあるこどもたちを受け入れる長時間保育を実現しました。

開園から10年以上が経ち、あらためて「ヘレンの保育って、どんなもの?」という問いに立ち返るために、今回はヘレンの園長3人が集まりました。

今回と次回の2記事にわたり、座談会で話した内容を前後編でお伝えします。前編では、こどもたちと過ごす毎日を通して見えてきた大切にしていることや、やりがいなどについて、進行役として採用担当の景山も交えながら改めて語り合いました!

中村橋園 園長 木村俊行(ニックネーム:きむ兄)

中村橋園 園長 木村俊行(ニックネーム:きむ兄)

元オフィス機器メーカーのサラリーマン。こどもと関わる仕事がしたいということで一念発起し、フローレンスが運営する「おうち保育園」の保育スタッフに転職。ロックを聴くのも演奏するのも好きで、バンド活動が趣味。担当はギター。

東雲園 園長 小田結紀(ニックネーム:ゆっき先生)

東雲園 園長 小田結紀(ニックネーム:ゆっき先生)

前職の大学病院で看護師としてさまざまな課題の解決に悩み、事業を通して課題を解決するフローレンスで学びたいと思い、2017年に入社。 病児保育、医療的ケアシッターナンシー、障害児保育園ヘレンで、さまざまなキャリアを切り拓いている。

荻窪園 園長 勝木泉(ニックネーム:泉先生)

荻窪園 園長 勝木泉(ニックネーム:泉先生)

小学校・中学校・高校・特別支援学校で教育に携わり、特別支援学校の肢体不自由児との関わりから、こどもやご家族には育ちと共に生活の支援が必要と感じ、福祉の世界へ転職。フローレンスのヘレン保育スタッフから現職へ。今後もヘレンの一員として地域社会に貢献したい。

「遊びを起点にした保育」とは?

景山:今日はヘレンで大切にされているさまざまなことについてお話を伺いたいと思っています。まず最初に、ヘレンの保育の大きな特徴でもある「遊びを起点にした保育」についてお聞きしたいです。

小田園長

スタッフみんなで話し合いを重ねていく中で、「遊びを中心にする」という方針が自然と定まっていきましたね。

木村園長

ヘレンは、障害児保育園というコンセプトで始まった場所だからこそ、この方針が大切なんだと思ってます。

小田園長

そうなんです。目の前のこどもを「ここが足りないから補う」という考え方ではなく、今あるそのままの姿をまるごと受け止めて、まずはこども自身が「毎日楽しい!」と感じられる経験を積み重ねることを大切にしています。そうした毎日の積み重ねのなかで、自然に発達も促されていくことが理想です。

木村園長

その通り!その子の一日は二度と戻ってこない大切な時間。その日々を楽しく大事に過ごしながら、少しずつ成長していく姿を支えていきたいですよね。

こどもたちの「毎日」をデザインする保育スタッフの役割

景山:ヘレンでは保育スタッフ、看護師やリハ職など、いろんな専門職がチームで協力しながら、こどもたちの毎日を支えていますよね。だからこそ、それぞれがどんな思いや視点をもって関わっているのか、そこにこそ、ヘレンらしさが表れていると感じます。まずは、日々の活動をつくり、こどもたちと過ごす時間の“土台”を担っている保育スタッフについてお聞きしたいです。

木村園長

ヘレンの一日をデザインしているのは、やっぱり保育スタッフなんですよね。毎日の活動をどう楽しくしていくか、リーダーとして引っ張ってくれる存在です。
特にわたしがいる中村橋園では、こどもたちにとってどういう日々が良い時間になるかを考えながら、週単位・月単位でストーリーを描いていくような視点をもって活動しています。月曜にちょっと準備的なことをして、金曜に「花が咲く」ように盛り上がる。そんな風に、少し先を見据えた組み立てがとても上手なんです。

小田園長

そうですね。遊びを通じて「今日はどんなふうにこどもたちが楽しめるかな?」を一番に考えて、全体をリードしてくれている。一人一人のこどもにあわせた支援の視点をもちながら、日々の活動を形にしてくれています。
ヘレンでは、保育スタッフが自然と児童発達支援管理責任者(児発管)的な視点を持って動いてくれていて、経験を積む中で実際に児発管になっていく人も多いです。こどもの今とこれからを、広く捉えてくれているという安心感があります。

勝木園長

やっぱり保育スタッフは「こどもの育ち」を全体的に見る役割だと思っています。一人一人に個別の目標があるのはもちろんですが、それだけじゃなくて、こども全体の様子、今どう過ごしているか、どんな風に育っていこうとしているか──そこまで含めて、広い視点で見守っていくのが保育スタッフの仕事だなと感じています。

「ケア」だけでない。保育にも深く関わる看護師の役割

景山:その一方で、ヘレンにおける看護師の役割はどうでしょう?

小田園長

看護師はこどもたちの健康面の専門家。急な体調の変化があるお子さんもいますが、そんなときに看護師がすぐに必要なケアを迷わずやってくれる。その存在があるからこそ、わたしたちは安心してこの場を運営できているし、まさに頼もしい存在です。

そして、看護師たちは遊びの大切さもちゃんと理解していて、こどもたちの「楽しい」を大事にしてくれています。活動時間中でも、いかに自然に・さりげなくケアするかまで考え抜いて行動してくれていて。その“目立たなさ”の中に、すごく高いスキルを感じます。

木村園長

ヘレンの看護師は、普段は誰が看護師で誰が保育スタッフかわからないくらい、一緒になって保育に参加してくれているんです。でもいざというときには、例えば「明日の気温でプールは大丈夫か」といった判断を、スパッと迷いなく下してくれる。そういう瞬間に、本当に欠かせない存在だと感じます。

勝木園長

よく「保育スタッフはジェネラリスト、看護師はスペシャリスト」と言われたりしますが、わたしはヘレンの看護師さんは“ジェネラリスト”でもあると思っています。
重い医療的ケアが必要なお子さんの体調を見極めて対応する専門性がある一方で、保育にも関心があって、実際に一緒に関わってくれる。
さらにありがたいのは、新しいお子さんの受け入れを検討している際、「この子の園の受け入れは難しいですね」とすぐに判断するのではなく、「どうやったら受け入れられるか」を一緒に考えてくれること。そういった常に前向きな姿勢が、こどもと家族に寄り添ってくれていると感じます。

勝木

そして保育スタッフ、看護師に加えてリハ職のスタッフもヘレンの保育に欠かせない存在です。身体機能や動作の「ハビリテーション」を専門とし、こどもたちが身体を動かしたり、姿勢を整えて遊んだりできるようになるプロセスを、ゆっくりと、しかし確実に支えてくれています。
ヘレンでは個別のリハビリは行わず、生活や遊びの中に自然に取り入れられるかたちで、リハ職が環境や活動を丁寧にデザインしています。

後編ではチームの連携のひみつ、ヘレンで大切にしていることや、やりがい、さらには「ヘレンで働くのにぴったりな人」ってどんな人?という話まで。どんどん話が深まり園長たちの熱いトークが繰り広げられます!ぜひ後編もお楽しみに…!

ヘレンでは現在看護、保育、リハ職のスタッフを募集しています。

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