医療的ケア児のご家庭向けに提供するシッターサービス「医療的ケアシッター ナンシー」。
障害児・医療的ケア児家庭のご自宅に看護師が訪問し、医療的ケアと遊びや発達支援を行うサービスで、お子さんに合わせた遊びなどの療育をしたり医療的ケアをしたりして一緒に過ごします。
今回の記事では、ナンシーで働く看護師にどんな思いをフローレンスに入社したのか、入社後のギャップなどを聞いてみました!
ナンシーで働く前はどんなお仕事をされていたのですか?
フローレンスに入社する前はこども病院のNICUとGCUで3年間働き、その後デイサービスや耳鼻科のクリニックを経て、総合病院の小児科病棟に5年間勤務しました。
NICUとGCUで働いていたときは退院支援に関わることが多かったので、退院後にこどもたちがどのような生活をするのかが気になり、そこで少しずつ退院後の障害児保育や施設に興味を持ち始めました。
その後勤務した病院の小児病棟では重症のお子さんのレスパイト(※)を受け入れていたのですが、ケアを中心に行っていて遊びの時間を十分に取ることができなかったんです。
わたしはもっとこども一人一人の感情や個性をじっくり見て付き合っていきたいと思っていたので、もどかしい感情を抱えていました。
(※)レスパイトとは「休息」のことで、レスパイトケアは、養育や介護をする家族が、一時的に養育や介護から離れて休息し、心身の疲れを取るための支援です。
また医師から「こどもが退院して初めての外来に来たとき、ご家族がとても疲れて見えた」ということを聞くことが多かったので、お家でケアしているご家族がきちんと休めていないのでは、ということも気になっていましたね。
そんな中、ナンシーを知ったのですね。
はい。転職の際にエージェントの方に障害児保育に興味があるということをお伝えしたところ、ナンシーを紹介してくれました。
今までやりたかったことにたどり着いた感じですね。
そうなんです。ナンシーだったら1回で2、3時間と比較的長時間の訪問になり、1対1でその子のためにじっくり関わることができます。またご家族が休める時間を提供できるという部分でも、今まで自分がやりたかった点と点がつながった!と感じました。
入社前に不安なことなどはありましたか?
ナンシーで働く前は、正直に言うと最初は1人で訪問するのが怖いなと思っていました。
実際に入社されてその点はどう感じられていますか?
ナンシーでの業務は研修期間が終わり単独で訪問を開始する前に、まず他のスタッフの訪問に同行するとこから始まります。同行するスタッフはすでに担当するお子さんのケアなどをよく知っている人で、その人から訪問現場で直接引き継ぎをしてもらうことができます。
またケアの内容が多いなど、お子さんの状態に合わせて引き継ぎ内容はカスタマイズされていますし、同行に必要な回数の設定もそれぞれです。ちゃんと「1人でできる」という自信がついてからの単独訪問になるので、そこは安心でした。
またナンシーでは1人のお子さんに対して複数のスタッフが担当し、交代で訪問するシステムを採用しています。個々のお子さんのケア方法や好きなおもちゃ、成長具合などの情報をスタッフ間で共有できるシステムが整っていて、その情報を事前に確認して訪問できるので、その点も心強かったです。
訪問型の働き方についてはどうでしょうか?
前職では病院に勤務していて施設型の働き方に慣れていたので、訪問型の働き方に慣れるまでに時間はかかりました。ナンシーでは夜勤はないのですが、逆に朝早く起きられるかが当初は心配だったり、前職では自宅から病院まで電車で15分の通勤だったところから、今度は長くて1時間半の移動になることを大変に感じたり。これらは働くにつれて生活のリズムが体になじんできて、少しずつ時間をかけて慣れていきました。
またどこか一箇所の拠点がある訳ではないので、例えば午前の訪問と午後の訪問の間にすきま時間があるけど、どこに滞在しようか?と悩むことも。
でも次第に「午後このお宅に行くんだったら、ご自宅近くのいつも行くカフェで事務作業してから向かう」など自分の中でルーティーンができてきて、毎回滞在場所を探すことがなくなってきてから、だんだんと楽に感じてきました。
また月に何度か書類作業のために神保町のオフィスにも向かいます。ここでは仲間たちと直接情報交換ができて良い刺激になっていますね。
働いている中で困難を感じたことはありますか?
ケアの内容だけではなく、お子さんの状態や年齢、身体の大きさなどはそれぞれ違うので、その一人一人に合わせた遊びや療育を考えるのは最初難しかったです。また同じこどもでも行く日によって気分が違うので、他のスタッフが「この子はこのおもちゃでよく遊んだ」と共有していたのを見て、同様に準備して行っても、その日はそのおもちゃで全然遊んでくれなかったり⋯。「あと2時間あるけど、この子と残りの時間どうやって過ごそう⋯?」と途方に暮れた日もありました。
その中で独自に工夫されていることはありますか?
一緒に遊ぶ内容をインスタグラムやその他SNSで調べたり、ナンシーで訪問している同年代のお子さんはどうやっているのか他のスタッフに聞いたりと、自分から情報を取りにいっています。また、神保町オフィスの地下に布絵本や楽器などの療育グッズがたくさん保管されているのですが、自分が担当している子が好きそうなものを想像していろいろと持ち帰ったり。たくさんの可能性を試したいので、いつも訪問する時はリュックがグッズ類でパンパンになっています(笑)
働いていてやりがいを感じるのはどんな時でしょうか?
訪問するお子さんの特性を考慮し、どうしたら喜んでもらえるかを考えぬいて事前に準備した結果、その子が楽しく遊んでくれた時は心の中で「よっしゃー!!」と叫びながら自然と笑顔になっています。一人一人に合わせるのが大変な反面、自分の創意工夫で喜んでもらえたときの面白みややりがいはひとしおですね。
またこどものちょっとした成長を感じるときにもとても喜びを感じます。例えばこの間までは怖がって全然手を伸ばさなかったおもちゃを、何回か通っているうちに自然と自分から触ってくれるようになったりとか。そのような成長を継続的に見られることが嬉しいです。
ご家族との関わりで印象的だったことはありますか?
わたしが初めて単独訪問したお子さんなのですが、一時期体調を崩してしまってしばらくナンシーを欠席されていたんです。その後お子さんの体調が落ち着いてナンシーのサービスを再開した際、ご家族が「やっと休めた」ってしみじみ仰っていた時、来てよかったなととても思いました。
ありがとうございます。最後にどんな方にナンシーをおすすめしたいか、聞かせていただけますか?
ケアを必要とするお子さんだったり、そのご家族とゆっくり関わりたい方、またこどもたちの成長をコンスタントに見ていきたいと思っている方に合っていると思います。
小児を経験していて、こどものケアだけではなく、遊びや療育にも興味がある方にぴったりですね。
今日もリュックにお子さんに合わせて選んだたくさんの療育グッズを詰めています。それでは、午後の訪問に行ってきます!
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