対談・インタビュー

未経験で政策提言に挑戦!社会を一歩ずつ前に進めていく醍醐味がある

ビジネス職
    中途入社事業企画・政策提言

「こどもたちのために、日本を変える」。

フローレンスは、こどもの虐待や貧困問題など、親子をとりまく社会課題の解決のため、病児保育、保育園、障害児保育、こども宅食、赤ちゃん縁組など数々の事業を全国で運営する国内最大規模のNPOです。同時に、課題を仕組みや構造から解決するため、国や自治体への政策提言を行い、制度を新設・アップデートしています。

社会課題の解決に向けて事業を創る、政策提言を実現するには、国や自治体、NPO、民間企業といった外部の多種多様なプレイヤーを巻き込み挑むことが必要です。

そしてこの役割を担っているのが、経営直下のチーム、代表室のメンバーです。ひとり3~5件程度のプロジェクトを担当し、成功・実現に向けてマネジメントしています。

今回は「政策提言」をテーマに、さまざまな新規事業を生み出して広めていく裏側のストーリーを代表室のメンバーに話を聞きました。

幡谷 拓弥(ニックネーム:マーヘル)

幡谷 拓弥(ニックネーム:マーヘル)

広告代理店で広報を経験した後、人権NGOに転職し、広報やファンドレイジング業務を担当。「自分が子育てをするときに、子育てしにくい環境であってほしくない!」という想いを持ち、2022年にフローレンスへ入職。

フローレンスの政策提言のお仕事について教えてください。

端的に言うと、現場で起こっている課題を、分かりやすく政治家や官僚に伝えることです。
政治家や官僚は、現場視察に行くことはありますが、機会が限られているので、地域で起こっている課題の最前線が見えにくいということがあります。
そのため、ただ困っていますとだけ伝えるのではなく、何に困っているのかを具体的なデータや事例、生の声などを用いて提示し、それに対する解決策も伝えることが大事です。

フローレンスは政策ができる前に、自分たちで支援モデルを創っている場合もあり、「こういう風にやると成功する」という成功事例や解決の枠組みを持っているのが特徴ですね!
課題と解決策をしっかり伝えるのがフローレンスの政策提言のポイントです。

政策提言の事例について教えてください。

障害児のための支援の拡充を例にお話ししますね!

障害児を長時間預けられるサービスがなく、親御さんが就労できず、こどもたちも行き場がないという課題がありました。

この社会課題に対して、フローレンスは長時間障害児の保育を実現する「障害児保育園ヘレン」を開設しました。まずは事業をつくることで、社会課題解決の実現を目指しました。

ただ、フローレンスだけが課題に取り組んでいるだけでは、社会全体での課題解決にはつながっていきません。

事業を始めてみると、行政の補助は障害児を長時間預かることを想定していない制度となっていため、財務的に事業を継続していくことが難しいことがわかりました。

フローレンスは寄付金をいただいているため、事業を運営することができますが、その仕組みだと全国には広がっていきません。

全国にヘレンのような障害児保育園を広げるために、財務が成り立つ運営補助を政府に提言しました。この仕組みがようやく整い、これから障害児を長時間お預かりできる保育園が増えていくという道筋が見えてきました。

これがまさに「政策提言」というアプローチで社会課題を解決するということです。

障害児のための支援は確実に広がってきていますか?

もちろん、過去と比べれば広がってきていますが、まだまだ解決しなければいけない課題は山ほどあります。

医療的ケアが必要なお子さんを保育園で預かるには、看護師等の配置が必要になりますが、医療的ケア児は法律で支援の対象と明記されていなかったんです。そのため、保育園に看護師を配置することに対しては補助がありませんでした。
医療的ケア児は、公的な支援から抜け落ちていた存在だったんです。

そこで、フローレンスは医療的ケア児とそのご家庭への支援の必要性を伝えました。
医療的ケアがあるということだけで保育が受けられない、保育だけではなくその先の就学に向けても必要な支援が受けられない、そんなことはあってはならないと思います。
2021年に医療的ケア児支援法が施行され、支援の必要性が定義された結果、預かる施設への看護師等の配置補助も実現しました。

支援から抜け落ちてしまっているこどもたちを定義し直し、法律の中で顕在化させるということが政策提言の成果だと思っています。

歴史的瞬間…!「医療的ケア児支援法」が全会一致で可決!医療的ケア児の支援が自治体の責務へ

他にも政策提言の事例はありますか?

もう少し身近な事例だと、東京都の男性へのHPVワクチン無償化があります。

毎年1万人の女性が子宮頸がんに罹患し、約3,000人が亡くなっています。
女性へのHPVワクチンは無償化されていますが、男性への無償化は進んでいませんでした。
しかし、男性がHPVワクチンを接種することにより、パートナーへのHPV感染を予防できるだけでなく、男性自身の各種がんを予防することもできます。

男女ともに公費化され接種率が高いオーストラリアでは、子宮頸がんが減少傾向にあることも明らかになっており、男性への無償化を推進したいと考えました。

ただ、男性へのHPVワクチンの無償化を進めたいといっても、「本当にニーズがあるのか」という視点もあるため、まずフローレンスで男性への接種を推進する接種無償キャンペーンを実施しました。
定員に対して2倍近くの申込があり、接種ニーズが可視化されたため、そのデータをもって東京都に政策提言を行い、2024年4月からHPVワクチンの男性接種の公費化が実現しました。

なぜフローレンスの政策提言を仕事にしようと思ったのですか?

もともと「社会の流れを変える」ということに興味はありましたが、電動キックボードの出現に衝撃を受けたんです!
電車でもタクシーでもなく、安く広く移動できるという点に、新しいし利便性が高いとびっくりしました。

どうしてこんなにも世の中に広がったんだろうか…と考えた時に、商品やプロダクトの規範である法律を変えていくことで、生活がより良くなっていくのではないか!と感じたんです。
法律を時代の流れに合わせて変化・更新させていくってすごく面白いことなのでは?!と思い、社会とコミュニケーションを取りながら規範を変えていく「政策提言」に関心を持ち、フローレンスに飛び込みました。
ちなみに、フローレンスに転職するまで政策提言は未経験でしたが、今は意思を持って政策提言に関わることができてとても嬉しく思っています!

政策提言の面白いところ・やりがいを教えてください!

自分が携わった仕事が、誰かが苦しむ未来を回避することにつながっているというところですね!

自分や自分のまわりの人たちが子育てをするときに、子育てしにくい環境であってほしくない!と思いもあってフローレンスに転職したのですが、自分の仕事が自分の未来を助けるということにつながっていくことを体感できるところが政策提言の面白いところです。

もちろん自分の未来ということだけではなく、仕事の成果がそのまま社会をより良くすることにつながっている点が、社会を一歩ずつ前へ進めていく政策提言という仕事の醍醐味であり、やりがいです!

政策提言の大変なところはありますか?

短期間では法律をつくることはできないので、短期で簡単に成果が出るものではなく、耐える時間も多いという点ですかね。
あとは、提言の内容が良いことだと思って取り組んでいますが、それって本当に社会にとって良いことなのか、社会を悪い方向に進めていないか、常に気を張っています。
また、社会とのコミュニケーションの中で政策をつくっていくので、ステークホルダーとの細かい調整がとても多いです。
誰とどんな風にコミュニケーションを取るかの戦略を練るのも政策提言を進めていくうえでは大事なポイントですね!

大変なところもありながら、それも含めて実現したいことに向かって楽しんでいます!

フローレンスの政策提言の仕事に興味を持った方へメッセージをお願いします。

新しい社会課題がどんどん生まれてくるので、フローレンスもどんどん新しいことに取り組んでいきます。
前例がないものにトライしていくので大変なこともたくさんありますが、志を共にするフローレンスの仲間たちがいるからこそ、楽しみながら未来を切り拓いていくことができます。
未来のこどもたちのために、わたしたちと新しいあたりまえをつくることにチャレンジしてほしいと思います!


フローレンスの代表室は組織内の垣根を超え、国や自治体、NPO、さらには民間企業といった外部の多種多様なステークホルダーを巻き込み、様々な社会課題の解決に挑む、社会変革の最前線を担っています。

そんなフローレンスの代表室のメンバーとして、社会をアップデートするアクションを共に仕掛けてくれる仲間を大募集しています!

ご応募、お問い合わせをお待ちしております!

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