今回はみんなのみらいをつくる保育園の園長・副園長から、フローレンスの保育園としてどういうことを目指して園運営をしているかを聞きたいと思います。
(※みんなのみらいをつくる保育園は「みんつく」という愛称で呼ばれています。)
ご参加いただいたみなさん
成川園長
みんつく東雲園
池田園長
みんつく初台園
白鳥副園長
みんつく東雲園
松澤副園長
みんつく初台園
「〜したい」を大切にできる子になってほしい
まず、皆さんはどういう保育をしたいと考えているか教えてください。
子どもにとって園生活は生活そのものだから、家庭の中にいるような安心感を持って2歳くらいまでは育ってもらいたいですね。
そして3〜4歳になったころに、自分が今日どうやったら幸せになれるのか考えて行動できるようになってほしい。自分がやりたいことがあったときに、工夫したり相談したりして、実現できるようになってほしいです。
例えば今、水族館のプロジェクトがどんどん進んでいるんです。
簡単に説明すると、園で魚の絵を描いた子がいたんです。それを見たお友達も「それいいね」って何人かで魚を描くようにり、「図鑑をみて本物っぽく描こう」「本物と同じ魚のサイズで描きたい」と展開したんですよ。
魚の長さを調べながら実際に描いたら「廊下に貼ってみんなにみせたい!」と。そうなるともう「水族館だね!館長、副館長を決めよう」と膨らんで、じゃあチラシを作ろう、どこに貼ろう、どこで配ろうって…
で、実は明日その流れでみんなで本物の水族館に行くことになってるんです(笑)
そんな遠足の予定は最初はなんにもなかったんですけどね(笑) 先生たちの動きもすごかった。早かったですよねー。
近くにみんなで行ける水族館ないかを調べたり、どうやって行くか考えたり、保護者に報告したり…
子ども達も先生も、とても楽しいでしょうね。
とっても楽しそうですよ。それもきっと子ども達が自分で考えたからですよね。大人が計画したイベントに乗っかるだけよりきっと充実していると思います。
こういうことも、カリキュラムの中で具体的な内容まで決めすぎてしまうとできないことだと思うんです。活動に連続性をもたせようという意識はあったにしても、カリキュラムが始めからきちんと決まっていると、ぶつ、ぶつ、というふうに切れてしまうような、この時間に〇〇をやりましょう、とか、この時間までにこれは済ませましょうとか、してしまうんですよね。
そういうのは一見、日々の整った生活のようであっても子どもの中で芽生えかけたかもしれない好奇心を摘んでしまうことになるかもしれない。それはできる限り防ぎたいと思っているんです。
自分たちのいる場所は、自分たちで変えられる
そういう経験を通じて子どもたちには、どういう子に育ってほしいと思っていますか?
自分たちのいる場所は、自分たちで変えられるんだっていう意識を持ってほしいです。言われるがまま、問題なく過ごしているのがいい子ってことじゃないくて、周りの人や自分の気持ちを大事にして意見を言える子、かな。
似てますけど、疑問に感じたことも自分の言葉で言えるようになってほしいです。これからは言われたことをハイハイやっているだけでは仕事がなくなってしまうかもしれない時代です。だから、自分の意見を大切にしてそれをちゃんと人に伝えられるようになってほしいと思います。
私は、当事者意識を持っている子です。物事に対して楽しくするもつまらなくするも結局は自分次第。自分が楽しくしようと思えば物事って楽しくなるし、逆に斜に構えてみると全部つまらなくなる。だから、自分から楽しむことができるような子になってほしいです。
自分がやりたいと思ったことを諦めない子です。
子どもなりの先入観ってすでにあったりするんですよね「これはやっちゃダメなんだよ~」って友達に注意している子いますよね。そう大人に教わったから。
でも、実は状況や環境によってはダメでないこともあるんです。先入観にとらわれずに自分のやりたいことに対して一歩踏み出せる子に育ってほしいなと思います。「それはやっていいんだよ!」って言ってあげたい。
勇気を出して言ってみたら ってなることもたくさんあるしね。もちろん、ダメなこともあるけど(笑)
水族館にしても、まさか行けると思わないじゃないですか。あの1枚絵を描いてきた時点では。
そうですよねー。
子どもだけじゃない。大人もやりたいことをやる
子どものやりたい!という気持ちをどう実現させていく中で、大人としても考える場面がたくさんあると思うのですが、どんな工夫をしてるんですか?
事務室で仕事してた時「そういえば、そうめん流しをやりたいんですけどー」って突然スタッフが言ってくれたこともありました(笑)。
どうしてって聞いたら「子ども達が使っているおもちゃがあって、それを使って遊びでそうめん流しごっこやってるんです。だから、実際にやったら楽しいだろうなーって思って」っていうんですよ。
もちろん、どうぞって言いました。
こんな感じで、子ども発信のこともたくさんあるのだけど、当然大人にだってやりたいことはあるわけで、それが子どもに寄り添ったものである限り原則反対しないです。したことないかも。ドンドンやれーって感じで。大人だってやりたいことをやらないと。
保育園での勤務経験が少ないスタッフもいるので「保育はこうあるべき」みたいなのがもともと少なく、いい意味で常識にとらわれず子どもと一緒にやりたいことを自然にやれているんじゃないかと思ってます。
もちろん失敗することもありますけど、それはそれでいい。だからも僕も職員から提案されたことは原則やってもらうようにしています。
でも、保育士としてキャリアが長かった人は今までのやることがキチっと決まっている保育園と全然違うから戸惑ったところもありますよね…
そうですね。私も最初戸惑いましたし(笑) そういう人も実際に一度なにか自分から提案をして、それがうまくいったりするとそれが成功体験になって次のステージにいけるようになってるなーって見てて思います。
子ども達に自主的に考えてもらうになるには、まず大人たちが自主的に動いていかないとですよね。まぁ、ちょっと時間はかかりますけどね(笑)。
僕も最初はそうでした。でも、子どもの気持ちに寄り添うのには機動力も必要だし、計画にない事態も多いです。だからこそ大人も、自分自身のアイデアとか考えをはっきり伝えることが大事だと思います。
あと、先生方のバックグラウンドが多様なので、人によって常識も違えば得意なことも苦手なことも違います。それだけに、余計に自分の意見を発信していかないとチームワークが取りづらくなってしまうかもしれませんね。
だからってわけじゃないと思いますが、園の風通しがすごくいいと思います。言いたいことは普通に言っちゃうというか(笑)
全員意見が一致することなんてなかなかないですが、それをきっかけにして話し合いが生まれるので、それはいいことだと思っていますし、みんなそう感じていると思います。
そうですねー(笑)
やりたいことをやりながら働きやすく
やりたいことをやろうと思うと仕事は多くなる印象があります。働く環境としてはどうですか?やっぱり残業は多くなりますか?
もちろん、まったく残業がないっということはないです。保護者の方々の対応で業務終了時間が15分過ぎちゃうみたいなこともありますし。
でも、残業なしっていうのは基本だし、浸透していると思います。残業があっても、それはしっかり申告してもらうことを徹底しています。
そうですね。休みはすごく取りやすいです。前にいた保育園では有給休暇なんてありえないって感じだったし、残業はアタリマエだし、持ち帰りもしてたし…。
フローレンスの説明会で、残業が少ないとか休暇が取りやすいとかの話を聞いていましたけれど、正直信じてなかったので、入社してみてびっくりしました(笑)
うちの園もそうですね。みんな、躊躇なく休むし、有給休暇も普通に出してきてくれます(笑)
それを叶えてあげられるっていうのは、手厚いスタッフ配置があるからでしょうね。ひとり抜けても園の運用に支障がでない仕組みがありますから。
僕も最初、昼休憩1時間とか戸惑いましたもんね。え、1時間も何しようって感じで(笑)
是非、見に来て下さい!
最後に、皆さんが大切にしていることを教えてください。
仕事の前に自分の生活があるから、自分の生活を大事にすることも必要だといつも思っています。保育の仕事は対人間だし仕事だけに注力してたらね、行き詰まってしまうこともあります。保育士は世の中の宝を育てる仕事で、それをやるためには、自分に余裕を持つことを心がけています。
毎日なにかやりたいことがあってワクワクしていたいと思っています。どんな大きなことでも小さいことでもいいから。そういうことが楽しめる人がフローレンスにはあってると思います。
私はフローレンスのビジョンを大切にしています。うちはフローレンスが運営している保育園だから「親子の笑顔をさまたげる社会問題を解決するフローレンス、それを保育の現場で実現するのがわたしたち」ということをいつも意識しています。