「生まれたばかりの赤ちゃんの虐待死ゼロ」の社会を目指して
日本では2週間に1件、赤ちゃんの虐待死事件が起こっています(※)。さまざまな事情から「生んでも育てられない」と悩んだ末に、生みの親である母親が赤ちゃんを遺棄することになったケースも少なくありません。
※参考:厚生労働省 平成23年「社会保障議会児童虐待等要保護事例の検証による専門委員会 第8次報告」
この背景には、予期しない妊娠に悩む女性が誰にも相談できずに妊婦期を過ごしてしまい、いつの間にかお腹の赤ちゃんが育っていき出産間近となってしまう、という問題があります。
そのような現実がある中でフローレンスでは、2016年4月に「赤ちゃん縁組事業」をスタートさせ、生みの親の支援である「にんしん相談」と、育ての親を希望する方向けの支援や相談を両面で行っています。
赤ちゃん縁組事業には、妊娠に悩む女性と、育ての親になることを希望するカップルそれぞれに寄り添い、相談者が前に進んでいくための手助けをする「相談員(ケースワーカー)」という専門職が存在します。
相談員の業務は多岐に渡り、相談者に同行しての支援のような外出業務のほかにも、記録整理や資料作成など社内での事務作業を行うことも少なくありません。
ご応募を検討されている方に向けて、本記事では、相談員の1日の様子と、実際の相談員へのミニインタビュー内容をご紹介します。
※フローレンスの特別養子縁組について知りたい方はこちら
「産みの親支援」のとある1日
9:00 妊娠相談メールへの返信
チームに本日の予定を報告後、始業開始。
予期せぬ妊娠に悩む方からの相談メールに返信します。
10:00 妊娠相談電話開始
相談電話の着信があると、相談室に移動します。 相談者さんの困りごとを丁寧に聞き取り、どうしたら解決できるのか、一緒に考えます。
11:30 お昼休憩
オフィスのある神保町は、古書とカレーで有名な町。
お昼は、美味しいランチでリフレッシュできます。
12:30 妊婦健診同行(外出)
継続相談の相談者さんの妊婦健診に同行。健診の後お話を伺い、相談者さんご自身で育てるか、特別養子縁組を進めるのか、お気持ちを聞くためのカウンセリングを行います。
16:00 記録整理
17:00 各所との連絡調整・問い合わせ対応
病院や児童相談所等関係部署との連絡調整を行います。
18:00 業務終了
最後に相談メールのチェックと明日の予定の確認を行い、チームに退勤の報告。
本日の業務終了です。
「育ての親支援」のとある1日
9:00 委託書類作成
チームに本日の予定を報告後、業務開始。
行政提出用の法律に定められた書類を作成。
10:00 社内ミーティング
相談員と事務局による合同チームミーティング。
11:30 お昼休憩
オフィスにて昼食。
12:30 問い合わせ対応
委託後の行政からの問い合わせに電話で対応。
13:00 養親面談
養親登録を希望するご夫婦が、なぜ特別養子縁組をすすめるに至ったか、それぞれの生い立ちなどを詳細にヒアリングします。
16:00 記録整理
夫婦面談後、ヒアリング内容を整理して記録を作成。
17:00 事務作業
委託後の養育レポートの確認、育児支援、委託後家族との電話。
18:00 業務終了
最後にメールチェックと明日の予定の確認を行い、チームに退勤の報告。
本日の業務終了です。
フローレンスで働く相談員の声
フローレンスの相談員として大事にしていることは?
主観にとらわれない「他者理解」で、相談者の「自己決定」に寄り添っています。
私達が一番大切にしているのは、相談者の「自己決定」です。そのためには相談員の主観や思いから「何とかしてあげよう」「助けてあげよう」という姿勢ではなく、先入観や自分の考え方の癖を客観的に把握し、それらを切り離して、相談者の声に耳を傾ける「他者理解」が必要です。想像力を駆使して相談者の方自身が持っている力を信じ、自己決定をサポートできるよう伴走していくことが、私達の役割だと思っています。
相談員の働き方について教えてください。
フレックスタイム制度で、家庭・プライベートも大切にした働き方が可能です。
妊娠相談には、急なお産、緊急対応などで土日や夜間に業務が発生することもあります。相談者の状況に合わせて柔軟に動いていくことが求められますが、フローレンスではフレックスタイム制が導入されているので、自分でその日の始業・終業時間を決めることができ、必要に応じて在宅勤務に切り替え、作業に集中することも可能です。自律と自立の責任はありますが自己管理できる方であれば、プライベートとのバランスを保ちながら柔軟に働くこともできます。
相談員の皆さんが保有している資格を教えてください。
様々な専門性を持つ仲間が働いています。
人によって異なりますが、社会福祉士、精神保健福祉士、公認心理師、看護師、母子支援員などの資格を保有しています。経歴は様々ですが、これまで多くの親子に関わってきたそれぞれの経験を活かしながら、相談援助業務に携わっています。