対談・インタビュー

「今、組織に必要なものは何かを見極める」 人材育成・組織開発の仕事

コーポレート職
    中途入社人事・採用

第3子の育休中、フローレンスにてプロボノとして活動しているNと申します。

わが子がお世話になっている保育士さんの素晴らしい働きぶりを日々目の当たりにするなかで、保育士さんのお仕事そのものに加え、保育士さんの人材育成や一つの組織としての保育園運営のあり方に興味を持っています。

今回、幅広い保育事業を行っているフローレンスの採用・育成部門「迎える育むチーム」(通称「むかはぐ」)で人材育成・組織開発に携わるお二人から、お仕事の魅力をお伺いしました。 

お話を伺った「むかはぐ」メンバー

永井さん

永井さん

2020年4月入社。人材育成・組織開発をメインで担当

吉本さん

吉本さん

2019年10月入社。人材育成・組織開発担当に加え事務局採用担当も兼務

――はじめに、お二人のキャリアをお聞かせください。

吉本

2014新卒で人材サービス(転職支援)の企業に就職しました。その中でも、障害者雇用支援をおもに扱う子会社に配属となり、障害者雇用分野の転職エージェントを経験したのち、特例子会社部門の教育研修担当として障害者手帳をもったメンバーに向けた育成プログラムや、定着率向上を目指す施策を企画実施していました。

――人材サービス会社でキャリアを積まれたのですね。障害者雇用を担当されていた前職から、子どもや親子を支援の対象とする「フローレンス」に転職されたわけですが、どのようなお考えで新しい分野にチャレンジされたのでしょうか。

吉本

学生時代より、ダイバーシティや社会的マイノリティと言われる人々の支援に関心があり、生きづらさへの支援を仕事にできたらいいなという思いがありました。加えて、モノではなく人への支援にも関心がありました。マイノリティ×人への支援、という考えで、障害者雇用分野でキャリアをスタートしました。

転職を考えはじめた20代後半には、友人たちの出産や子育てに関する話を聞く機会が増えてきました。そういったなかで、出産や子育てにもしんどさがある、それはマイノリティや生きづらさになり得る、という発見がありました。

今後自分も当事者になり得る出産・子育ての支援に仕事として携わることに魅力を感じ、2019年10月にフローレンスに入社しました。

現在は、おもにフローレンス内のリーダー層の人材育成や組織開発の担当に加え、事務局採用担当も兼務しています。

永井

2006年に人材系(求人広告の法人営業、営業企画)企業で社会人生活をスタートしました。この会社のお客様のつながりで入社した保険金融系ベンチャーで、人事のキャリアが始まりました。その企業では、人事全般-採用も研修も社会保険の手続きも1人で行いました。3社目は広告業界で、人事、新卒中途の採用、育成を行いました。

フローレンスには2020年4月に入社し、人材育成と組織開発をメインで担当しています。

成長途中だからこそ、人材育成・組織開発担当にできることがたくさんある

――入社前に持っていたフローレンスのイメージと比較して、フローレンスの実態をどのように捉えていらっしゃいますか。

吉本

意思決定のスピードが速いことは、入社前のイメージ通りです。

今フローレンスが取り組むべき社会課題を見つけて、それを解決していこう!という決断はとにかく速いですね。

親子の問題に対する熱量も思った通りでした。「みんなで子どもたちを抱きしめ、子育てとともになんでも挑戦でき、いろんな家族の笑顔があふれる社会」というビジョンの実現に向けて、フローレンスは本気で考え動いていることを実感しています。

最終面接のときに、「フローレンスには取り組むべき人事的な課題がまだまだいろいろあるんだ…!」と経営層から言われましたが、それもそのとおりだったなと思っています。悪い意味ではなく、伸びしろのある成長途中の会社として、やるべきこと、やれることはまだまだある、と感じています。

永井

世の中の多くの企業もミッションバリューを掲げていると思いますが、忠実度はそれぞれだと思います。フローレンスはかなりミッションに忠実ですね。

ビジネスチャンスがあれば、利益がより出るほうへ注力することも企業によってはあるかもしれません。

フローレンスは、「親子の笑顔をさまたげる社会問題を解決する」というミッションにすべての事業が帰結しています。

日常的な議論でも、そのミッションに立ち返る忠実さは、入社前に期待していたとおりでした。

「ナナメ」の立場の育成部門だからこそできるサポート

――お二人の主な業務である人材育成・組織開発について、具体的にお話をお伺いします。
小規模保育、病児保育、障害児保育など、先進的な保育事業も多く手がけるフローレンス。そんなフローレンスで働くスタッフだからこそ、理想とする保育環境や子どもたちとの関わりが様々だと考えます。それ故、それぞれの想いがぶつかり合うことも多いのではないでしょうか。そういった状況には、人材育成や組織開発の観点でどう向き合ってらっしゃいますか。

吉本

そうですね。それぞれの持つバックグラウンドの違いから、意図せずすれ違いが起こることもあると思います。

永井

ぶつかり合うこともありますが、それ以上に相手に配慮して本当の想いを胸の内に秘めるということも多いと感じますね。一人ひとりの想いが生かされる組織にするために、アサーティブ(自分も相手も大事にするコミュニケーション方法)を学ぶ研修を開催したこともあります。

吉本

毎回毎回、それぞれのメンバーがいろんな状況に置かれていることを理解したうえで、チームが前に進んでいけるような対話の場やコミュニケーションの取り方を工夫していくことが、育成部門の役割の1つですね。

慌ただしい日常の中でも、今私たちはどんな状態にあるんだろう?何を目指しているんだっけ?と、一度立ち止まって現在地に立ち返る場の設定支援ということも意識しています。

――私の子どもの通う保育園でも、園長先生が代わると園全体の雰囲気が変わったり、保護者会で、先生方の子どもたちへの優しいまなざしとはまた異なる熱い想いに触れることがあります。そうした経験から、保育者同士のコミュニケーションや目指す方向の共有はとても重要だと感じるのですが、「保育園」のなかだけでは、なかなかそういった場の設定もしづらいのかなと想像していました。育成部門の方が客観的な立場で場を設定してくださるのはとても有意義ですね。

――フローレンスは、子ども宅食や養子縁組など、新しい事業にも取り組まれています。熱い想いをもって入社される方が多いフローレンスだからこそ、そのビジョンやミッション実現に向けた土台である組織づくりは重要になりますね。

吉本

そうですね。常に新しいことを目指し、誰もやっていないことに挑戦する組織だからこそ、走りながらプロジェクトを進めることが多いです。そうすると、自分たちの現状を見つめることがままならなかったり、組織の在り方を見つめることに目がいきづらかったりすることがあります。そこをナナメの立場である人材育成・組織開発担当としてサポートすることも役割のひとつとしています。

永井

フローレンスの社員は、社会課題の解決を仕事に選んだという点で、自分以外の誰かの想いや背景に思いを向ける力がもともとある方が多いと感じています。育成担当の仕事は学びの場づくりやチームの関係性作りを通して、彼・彼女らの力が最大限発揮できる組織づくりと言えるかもしれませんね

社会課題の当事者が、課題を解決する人にもなり得る

――今ある社会課題と向き合うフローレンスで働くことで、生活の場での社会課題への向き合い方や価値観に変化はありましたか。

永井

私は元々フローレンスの寄付者から始まったのですが、その頃は、フローレンスを「向こう側の人たち」というイメージで見ていました。つまり、社会課題とは、力や能力のある誰かが解決してくれる問題だったのですね。しかし、フローレンスで働いていると、日常のなかで社会課題が解決されていく様がつまびらかにみえてきて、社会課題の解決ということが、日常のものになりました。

――フローレンスで、ご自身が社会課題の解決者として活動している、というだけでなく、ご自身が感じる社会課題について、自分が解決者になり得るという世界観に変わったということでしょうか。

永井

そうですね。当事者=課題を感じている人、という意識から、当事者が課題を解決する人にもなり得る、という意識に変わりましたね。

変化を楽しめる人!課題解決のプロセスが好きな人!

――「むかはぐ」では、新しいメンバーを募集していますが、どのような人がこの仕事に向いていると思いますか?

吉本

私も永井さんもたまたま人事や人材育成部門経験がありましたが、メンバーには、前職がシステムエンジニアだった人も営業関係だった人もいます。人事経験は不問です。

いい組織をつくっていきたいという情熱がある人が向いていますね。

あと、実際の業務は、いわゆる「人事部」というより、「人と組織の問題・課題解決支援」にかなり近いです。今の組織の現状はどうで、何をどう改善すればよりよくなるかを仮説をたてて、解決策を考える、問題解決のイメージに近いですね。なので、物事の現状を見つめ、課題感や伸びしろの仮説を立て、解決する一連のプロセスが好きな人にも向いていると思います。

永井

フローレンスでは、頻繁に新しいプロジェクトが立ち上がり、プロジェクトのフェーズも変わっていきます。このため、毎年同じ研修をしたり、この年代に対してはこの研修を行うというのは全体の一部です。人や組織の成長にあわせて、どんな人材育成・組織開発的な施策が必要かを含め、常に変えていく必要があります。

今のフローレンス、プロジェクトにとって何が必要かを見極め実行していくことが重要ですね。

吉本

フローレンスは変化し続ける組織であり、過渡期が多いです。過渡期には、ハレーションもつきものですが、そのような環境で人と組織をよりよくすることに向き合うことを楽しめる人が向いていると思います!

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