フローレンスでは「退院後の医療的ケア児を支援する!看護師の新しい働き方をご紹介」をテーマにYoutubeライブを5月27日に開催しました。
看護師として働く中で、「子どもたち一人ひとりとじっくり向き合いたい」、「ワークライフバランスを大事にした働き方を実現したい」などの悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。
そこで今回のイベントでは、病棟勤務だけではない新しい働き方を、フローレンスの現役看護師である中島瑠維(るいるい)が率直に語りました。
フローレンスの採用業務に携わる服部とともに、リアルな業務内容や、病棟勤務との違いなどを紹介しながら、参加者の方からの質問にも答えたイベントの様子をレポートします!
動画で見たい方はこちら
フローレンスの障害児保育・支援事業とは?
「親子の笑顔をさまたげる社会問題を解決する」をミッションとするフローレンスは、障害児保育・支援事業においてさまざまなニーズに応えるサービスを展開しています。
フローレンスの看護師が携わる仕事は「施設型」と「訪問型」の2つに分類され、それぞれ次のようなサービスがあります。
◼︎施設型
・障害児保育園ヘレン:障害児専門の保育園
・インクルーシブひろばベル:障害の有無に関わらず親子が安心して遊べる場
◼︎訪問型
・障害児訪問保育アニー:障害児向け自宅でのマンツーマン保育
・重度医ケア児訪問保育エレノア:看護師による自宅での医療的ケア児の保育、出産を機に離職した保護者の「もう一度はたらく」をサポート
・医療的ケアシッターナンシー:看護師による障害児や医療的ケア児のシッターサービス
いずれも親御さんの「困った」や「こんなことをしてみたい」という声を元に、サービスを広げてきました。
現役看護師に聞く!フローレンスで働こうと思った理由は?
それでは、ここからはフローレンスで働く看護師、るいるいさんにお話を伺っていきましょう! まずは自己紹介いただいてもいいでしょうか?
はい!「医療的ケアシッター ナンシー(以下ナンシー)」で看護師として働いている中島瑠維です。フローレンスはあだ名文化で、みんなからは「るいるい」と呼ばれています。ナンシーでは医療的ケアや障害のあるお子さんのご家庭に看護師が訪問し、年齢や発達に応じた支援を行っています。
フローレンスに入社する前は重症心身障害児(者)病棟と整形外科、消化器外科の混合病棟で働いていました。やりがいのある仕事でしたが、もっと一人一人の患者さんと密に関わりたいと考えていたときに、フローレンスの求人を見つけました。
そこで知ったのが、当時始まったばかりのナンシーです。一人のお子さんと長く関われるだけじゃなく、公園で遊びたいとか、親御さんがケアから離れてひと休みしたいとか、ご家庭のさまざまなニーズに応えられる点に興味を持ちました。
もともと訪問看護の仕事に興味がありましたが、まだ看護師7年目だったので、一人での訪問には不安がありました。しかし、説明会でナンシーの看護師と話をしたときに、「一人で行けると思えるようになるまで同行するから」と言っていただけて、研修体制も整っていると知り、思い切って飛び込んでみることにしたんです。
もうじき3年目を迎え、今は1歳児から中学生までのお子さんを受け持っています。呼吸器や在宅酸素を使用していたり、気管切開をしていて吸引が必要だったり、胃ろうからの注入を行っていたりと医療的ケアが必要なお子さんが圧倒的に多いです。
訪問中はケアだけでなく、お散歩や宿題をしたり、最近ではママに内緒で母の日のプレゼントも作ったりしました。また、学校までお迎えに行って一緒に帰るなど、さまざまなお手伝いをさせていただいています。
1週間のスケジュールを公開!メリハリのある働き方で心にも余裕
つづいては、とある1週間のスケジュールをみていきましょう!
ナンシーでは看護師は基本的に1日に2件の訪問を行います。一般的な訪問看護では上限が90分ですが、ナンシーではさまざまな制度を組み合わせて事業を行っているので、訪問時間は毎回2〜3時間ほどです。
1週間に6〜7件ほど訪問し、神保町のオフィスでの事務の時間も確保しています。計画書や報告書などの書類作成や、他のスタッフに相談事をしたり、時には担当しているお子さんのかわいい写真やこんな成長があった!という事例を共有したりしています。
他にも、療育で使う材料の準備や、遊びの計画などの時間も必要です。在宅で作業することもあります。フローレンスでは入社の際にiPhoneとiPadが支給されるので、それを使えばオフィス以外での作業も可能です。
訪問先からオフィスに戻る時間がないときなどは、効率化のためカフェでノマド作業をすることもあります。ちなみにそのカフェ代は会社から補助が出る(※)ので、心置きなく作業できます(笑)。(※カフェ代は上限ありで経費精算が可能です)
毎週金曜の午後はスタッフが集まって、カンファレンスも行っています。事業方針やヒヤリハットの共有、イベントのお知らせなどさまざまなことを話しています。最近ではZoomを使ったカンファレンスも多く、メンバーの顔を見て気持ちがリセットされて、来週も頑張ろうと思える時間ですね。
基本は土日祝日がお休みです。有給休暇ももちろんあり、お互いに休むことを大事にしてくれる環境です。仕事と家庭の両立もしやすいと思います。
病棟勤務との違いは?子どものペースに合わせたケアを実現
ナンシーでの働き方や業務内容は、病棟での勤務と異なる面も多いのではないでしょうか?
多いですね。例えば、一人のお子さんに密に関われる点は、病棟勤務との大きな違いだと思います。一般病棟で働いているときには、とにかくバタバタしていて、患者さんとゆっくり話す時間が持てませんでした。重症心身障害児(者)病棟でも、「この子は見守りがあればゆっくりだけど自分でお着替えできる」と分かっていながら、着替えを手伝ってしまうことも。
でもナンシーなら1対1で、お子さんのペースでケアができます。遊びを通して発達を見守れるし、ちょっとしたお子さんの変化にも気付けて、ご家族と成長を一緒に喜べる関係を作れることが一番の喜びです。
また、看護師が療育や学習を担当するのも大きな違いです。最初は不安もあったのですが、実習や研修を通して学んだり、学習については学校と連携したりとナンシーの看護師みんなで日々勉強しています。
待遇面では残業はほとんどなく、土日祝日が休日なのでプライベートも充実しています。学生の頃ぶりにゴールデンウィークを堪能しました(笑)。一方で、夜勤手当がない分、正直なところ収入はどうしても減ってしまいます。ただ、各種手当はありますし、交通費や先ほどお話ししたノマド代、療育の材料費などは経費精算できます。
「夜間や休日に急変があったら?」参加者からの質問に答えます!
最後にみなさんからいただいた質問について、お答えしていこうと思います。まずは、「もし夜間や休日に急変があった場合はどのように対応するのですか?」という質問です。
土日の対応は基本的にはしていません。とはいえ、緊急の入院などについては、スタッフが当番制で土日に親御さんとLINEで連絡をとるようにしています。連絡がきたら週明けの月曜にお返事をしたり、緊急事態の場合には土日に対応したりするケースもあります。
次の質問は「小児看護の経験が初めてのスタッフもいますか?」ということですが、こちらは私からお答えしますね。
フローレンスの障害児事業は応募要件がそれぞれに異なり、ナンシーのような訪問型の場合は応募要件に小児看護の経験が含まれています。一方で、障害児保育園ヘレンでは小児看護の経験は不問です。
次は「通勤場所が遠くなりそうでなかなか挑戦できずにいます。非常勤で働くことはできますか?」との質問です。
ナンシーにはいろんな働き方があります。フルタイムだけでなく、週3や週4、非常勤や時短勤務も。ライフステージに合わせて働き方も変えられるのではないでしょうか。他の仕事と掛け持ちしている方もいます。
つづいて「評価は訪問件数ですか?」との質問ですが、人事的な視点では評価は件数ではなく期待役割を重視しています。フローレンスの看護師として求められる自己実現や役割を最初にお伝えし、そこに対する達成度を測るという企業的な評価の仕方ですね。自己評価と上長の目線とを掛け合わせて最終評価となります。
また、「研修制度や教育体制について教えてください」という質問もきています。
研修担当者が他の病院の研修に参加して得た知識や、看護師がこれまで在籍していた病院で得た知見などをスライドにまとめて勉強会を行っています。また、個人的に行きたい研修があれば、事前に申請して出向くこともありますね。業務として参加した場合は、チームに還元できるよう学びをまとめて報告しています。
教育体制としては、必ず一人に一人のプリセプター(先輩看護師)がついて、みっちりフォローしているので安心してもらえればと思います。
ナンシーは看護師さんたちが自分たちで研修を考えて、自主的に動いている点も特徴的ですよね。
親子に寄り添う、新たな働き方で看護師としての新しいキャリアを
フローレンスの看護師はお子さん一人ひとりに寄り添い、ご家族の日常に伴走しながら、悩みを共有し喜びを分かち合う仕事です。看護師として親子にじっくりと向き合う新たな働き方は視野を広げ、やりがいに満ちあふれたものとなるのではないでしょうか。
支援を待ち望んでいるお子さんやご家族はたくさんいらっしゃいます。ぜひ私たちと一緒に、たくさんの親子を笑顔にするお手伝いをしませんか?