対談・インタビュー

フローレンスメンバーご紹介!NPOで働いている人ってどんな人? ~代表室編~

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    中途入社事業企画・政策提言

フローレンスは、子どもを取り囲む社会問題解決を目指す認定NPO法人です。

業界の常識や慣習にとらわれず、小規模保育園や病児保育などの “それまではなかった”革新的なサービスを先がけて展開してきたことが大きな特徴です。「社会課題の解決」という観点から、今、そしてこれから必要とされるサービスや新事業開発にチャレンジし続け、社会を「しくみ」から変えるべく、政策提言やロビイングも積極的に行っています。

その取り組みは、小規模認可保育所が制度化されるきっかけを生んだり、“医療的ケア児”という言葉とともに社会的に認知されにくかった子どもたちに光をあてるなど、大きなインパクトを生み出してきました。

現在、フローレンスでは総勢800名以上のメンバーが働いており、事業を支える事務局のメンバーは200名以上。それぞれが社会課題解決への想いを抱いている、個性的で魅力的な人たちが集っています。

そんな多様なフローレンスメンバーをご紹介していきたいと思います。

フローレンスメンバーのご紹介企画第一弾は、政策提言や事業開発などで社会課題解決の最前線を担う「代表室」。

代表室は、社会課題やフローレンス社内で発生する課題を、多様な関係者と創意工夫しながら解決まで導くチームです。メンバーは多様なバックグラウンドを持っており、出身企業はコンサル会社、航空会社、NPO、官公庁など様々。業務経験も多様で、営業から事業開発、マーケティングやコンサルティングなど、それぞれが培ってきたスキルや持ち味を代表室で発揮しています。そんな様々なバックグラウンドを持つ3人に、4つの質問をぶつけてみました!

  • フローレンスに来た理由を教えてください!
  • フローレンスの好きなところを教えてください!
  • フローレンスではどんな仕事をしていますか?
  • 子どもたちが大人になったときにどんな社会をプレゼントしたいですか?
氏名

久保田 睦さん(ニックネーム:むっちゃん)

前職

廃棄物処理関係の企業で営業職を経験した後に、水族館や遊園地を運営する企業にて水族館の新規立ち上げやバックオフィス全般、販促や企画職など幅広く担当。

趣味

畑、音楽、読書、献血、手芸、アクセサリー作りなど。

フローレンスに来た理由を教えてください!

むっちゃん

A:子どもや親子の社会課題や福祉分野に以前から興味があったわけではなかったのですが、子どもを出産したことをきっかけに、日本社会で育児をすることの難しさ、困難さを実感し、一気に当事者になりました。子育てを社会全体で支える仕組みがなく、育児負担が母親に偏っていて、誰に助けを求めていいか分かりませんでした。

「日本社会はこのままではダメだ!自分には何が出来るだろう」と考えていた時に、駒さん(弊会会長の駒崎の愛称)のSNSでの発信を通して、フローレンスの取り組みを知りました。仕事として社会課題の解決に取り組めることに魅力を感じ、今、フローレンスで働いています!

フローレンスの好きなところを教えてください!

むっちゃん

A:心理的安全性が担保されているところです。異なる意見を頭ごなしに否定するような人がいないので、安心して自分の意見を伝えることができますし、とても話しやすい雰囲気があります。想いを同じくするメンバーが集っていることも、安心感の理由のひとつですね。自分の家庭の悩みまで話していたりして、もしかすると家族よりも自分の内面をさらけ出しているかもしれません(笑)

フローレンスではどんな仕事をしていますか?

むっちゃん

A:事業開発を担当しています。既存事業の課題解決をはじめとしたプロジェクトや、新規事業のプロジェクトマネージャーとして、日々社会課題の解決に取り組んでいます。初めてのチャレンジも多いですが、経験豊富なメンバーから学び、学んだことを試しながら進んでいます。

フローレンスには政策提言から新規事業立ち上げまで様々な経験をしているメンバーがたくさんいて、勉強会などを開いてノウハウや知識を惜しみなく分けてくれます。

子どもたちが大人になった時にどんな社会をプレゼントしたいですか?

むっちゃん

A:経済的問題や年齢、自身のキャパシティの問題で子どもをもつことを諦めることがないように、社会のインフラ整備が進んでいる、そして、女性だけが育児の負担を背負うのではなく、男性も共に育児をすることが当たり前になっている、そんな社会をプレゼントしたいです。

氏名

幡谷 拓弥さん(ニックネーム:マーヘル)

前職

広告代理店で広報を経験した後、人権NGOに転職し、広報やファンドレイジング業務を担当。

趣味

写真撮影や登山、ランニング、サイクリングなどアクティブなものが多いです。

フローレンスに来た理由を教えてください!

マーヘル

A:大きく2つあります。1つめは、自分の周りに結婚して子どもを持つ友人が増えたことで子育てへの意識が強くなったこと。もう1つは、弟と15歳年が離れていて親目線で弟を見ていたので、「子育て」は身近で関心がある分野だったことが理由です。自分の将来を考えた時に、このままの日本社会で子育てをするのは大変なのでは…と悲観的に考えてしまうのが嫌で、未来の自分を助ける気持ちで、子育てを楽しくできる社会に変革したいと思い、フローレンスに来ました。

フローレンスの好きなところを教えてください!

マーヘル

A:年齢やキャリアに関係なく意見を言い合えるところです。普段の雑談の質が高く、お互いの家庭の話や人生の悩みまで、色んなことを話し合える関係なので、とても居心地がいいです。親子の社会課題に対しての意識を持っていて、根っこにあるそれぞれの想いが揃っているからこそ、気兼ねなく何でも言い合えるのかなと思います。お土産や差し入れなど、オフィスにお菓子がいっぱい置いてあるのも嬉しいポイントですね(笑)

フローレンスではどんな仕事をしていますか?

マーヘル

A:障害児保育事業関係の政策提言と事業開発をメインで担当しています。障害児に向けた支援における所得制限撤廃の話や、障害児の存在が社会から取りこぼされないよう、様々な角度から政府にアプローチしています。障害児に関する要望を会議のアジェンダに組み込んでもらったり、骨太方針にのせてもらえるような活動にも力を入れています。

中でも特に印象に残っている取り組みは、障害児×eスポーツの取り組みです。手足を動かせない子どもたちが視線入力等を用いてeスポーツを楽しめるよう、重度障害児のeスポーツ大会として2022年の8月に「フローレンス杯」を開催しました。重度障害を持つ子どもたちは誰かの補助のもとで生活をしていますが、eスポーツであれば、視線入力によって自分の力で操作することができ、eスポーツを通して対戦したり競い合うことで、勝って嬉しい、負けて悔しいというような感情が心の中に生まれます。

視力が悪くても、メガネやコンタクトといったツールを使うことで、それは障害ではなくなります。ツールを使ってギャップを埋めることで、未来では手足が動かないことも一つの個性になるのではないでしょうか。とはいえ、障害を持ったお子さんも、親御さんも、ツールに慣れるまでは抵抗があると思います。そんなツールに触れていただくきっかけとして、eスポーツの存在があると思っています。eスポーツをきっかけに、楽しみながらデジタルツールに慣れることで、より自発的な行動を楽しんだり、コミュニケーションを楽しむことができるのではないかと思います。

就労支援の一環として、成人向けの「障害者×eスポーツ」の取り組みは既にありますが、子ども向けの「障害児×eスポーツ」の取り組みは前人未到です。誰もやったことがないからこそ、荒れ地を開拓しながら突き進むような楽しさがありますし、新しい当たり前を創るフローレンスだからこそ、取り組む意義があると思っています。障害を持った子どもたちがデジタルツールを使うことで、人生がより豊かになる未来を想像しながら、日々進んでいます。

子どもたちが大人になった時にどんな社会をプレゼントしたいですか?

マーヘル

A:100人の人がいたら、100通りの生き方があると見せてあげたいなと思っています。田舎に住んでいた時には、高校を卒業したら働けと言う大人もいました。昔ながらの幸せ像というか、県庁に就職できると安泰だ、みたいな空気を感じていましたが、それだけが幸せではないはずです。子どもたちが夢ややりたいことに全力でコミットすることを、社会全体で応援したり、共感できるような社会にしたいです。

氏名

岡野 優華さん(ニックネーム:おかぴ)

前職

大手日系航空会社

趣味

キャンプ・スキー・旅行(スリランカでホームステイしたり、エジプトの砂漠やケニアのサバンナにも行きました)

フローレンスに来た理由を教えてください!

おかぴ

A:困っている親子が身近にたくさんいたので、どうにかしたい!という気持ちがきっかけでした。ひとり親家庭をはじめとした様々な家庭の課題、親子の課題を抱えている友人が身近にたくさんいました。親子の社会課題は「世の中の誰か」が困っている課題ではなく、当事者がイメージできる身近な社会課題だったんです。フローレンスの取り組みは以前から知っていたので、自分にできることは何だろう。と考えながらホームページを見た時に、苦しむ人がこれ以上増えないよう、仕組みから社会を変えているところにとても魅力を感じました。

フローレンスの好きなところを教えてください!

おかぴ

A:大好きなところがたくさんありますが、一番は「人」ですね。どんなことに対しても決めつけたりせず、多様性を受け入れてくれて、懐が深いなと思います。ありのままを受け入れてくれるからこそ、心の内を赤裸々にさらすことができて、家族のような関係です。そして、みんな前向きで前のめり!大変なことがあってもなんとかなるってみんなが思っているし、なんとかする。想いの強さだけでなく、想いを形にする実行力も素敵です。もう、毎日が楽しくてしょうがない気持ちで、元気をたくさんもらいながら働いています!

フローレンスではどんな仕事をしていますか?

おかぴ

A:メイン業務は政策提言(※1)です。今主に取り組んでいるのは、保育園を共働き家庭だけのものだけでなく、すべての子どもたちが週に1~2回からでも定期的に通える場所にする「みんなの保育園」の実現です。これは、親の就労の有無に関わらず、子育て家庭が地域の保育園に定期的にアクセスでき、社会と繋がりながら子育てができることで、無園児家庭の孤独な子育てという社会課題を解消を目指す政策です。この政策の必要性や実現可能性を示すための根拠となる調査を行い、それをもとに国や政治家に政策の意義を説明して要望書を渡したり、国に先駆けて独自に無園児預かりを開始しているフローレンスの保育園に視察を受け入れることなどを業務として行っています。

フローレンスは実際の「現場」があるので、小さくても実際の事例が示せることで、政策の意義に更に説得力が持たせられるなと感じます。私たちが政策提言してきた「みんなの保育園」は「こども誰でも通園制度(仮称)」として、現在は国でも前向きな検討が始まりました(※2)。これがきちんと親子の笑顔につながる意味のある制度として全国で実現するまで注視していきたいと思っています。

また、私はサブマネージャーとして代表室メンバーのサポートも行っています。優秀なメンバーばかりですし、みんなの能力を最大限に活かすサポートが好きなので、とっても楽しいです。

(※1)政策提言とは:各分野における課題を解決するために、政策決定者に対して具体的な政策を積極的に提案し、はたらきかけ、提言活動を行うこと。

(※2)▼こども誰でも通園制度の詳細はこちら

注目の「こども誰でも通園制度」で子育てはどう変わるのか?親を孤立させないための取り組み

子どもたちが大人になった時にどんな社会をプレゼントしたいですか?

おかぴ

A:子どもたちが、自分で社会を変えられる!と思える社会をプレゼントしたいです。

もやもやするけれど、自分にはどうすることもできないと思ってしまうのではなく、自ら仕組みを変えて社会を変えることが出来る!と体感してもらえるような社会が理想です。

フローレンスで働くようになってから、家族と社会課題について話す機会が多くなりましたし、私も私の子どもたちも視野が広がったなと感じます。世界を広げ、視野を広げながら、自分の好きなことやワクワクすることを仕事にして、人生を豊かにしてほしいと思っているので、子どもたちが部活を始める時にも、自分の「好き」を大切にするようになってくれたことをとても嬉しく思っています。

こんなメンバーが揃うフローレンスの代表室は組織内の垣根を超え、国や自治体、NPO、さらには民間企業といった外部の多種多様なステークホルダーを巻き込み、様々な社会課題の解決に挑む、社会変革の最前線を担っています。

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