伊地知美由紀
病児保育の仕事のかたわら、家族の介護や、仕事に復帰した娘に代わって孫の面倒をみたり、土日は動物園でボランティアガイドをしたりと、いきいきと様々な役割をこなしている伊地知。病児保育では週2日勤務の時給制スタッフとして活躍中。2012年8月入社。
※2018年実施のインタビュー記事です。条件等は最新の採用情報をご確認ください。
子育て経験が活かせて、困っている親御さんが支えられる仕事です
病児保育を知ったきっかけは何でしたか?
子育てが一段落した後、いくつか仕事をしていたのですが、50代半ばに小児科の受付で働いていました。お子さんの受診にきた親御さんが「仕事を休めない」と困っている様子をみて、何か助けになれないかな、と気になっていました。いろいろ調べて、たどり着いたのがフローレンスでした。
この歳で再就職に不安もありましたが、「子育て経験」が応募資格で、同じ年代の方もいらっしゃるとのことだったので、始めてみようと決心したんです。
入社後の不安はありましたか?
保育の経験はありませんでしたが、研修をしっかりしてくれたので、そんなに不安はありませんでした。
私の場合は、自分の子育ての経験がけっこう役に立っていたからかもしれません。
うちは長男がわりと難しい子で、あまり食べないし、よく泣くし、人見知りもすごくて(笑)
だから実際に病児のお子さんと関わってみて、みんなイヤイヤせずによく食べてくれるなって最初びっくりしたくらいなんですよ。
人見知りについても泣いて当たり前みたいな気持ちがあったので、「泣いてもいいんだよ、大丈夫だよ」と動じずにいられるのは、子育て経験の強みなのかもしれません。
ただ、家の中で1日中2人で過ごすということに慣れなくて戸惑いました。自分の子どもの時は、公園に連れて行ったり、おでかけすることも多かったので……。
今はお預かりするお子さんの年齢層にあわせて遊び方を工夫できるようになりました。
頑張っている親御さんに寄り添えるような保育を
印象に残っている病児保育の1日を教えて下さい
親御さんの「困った」を助けられることにやりがいを感じます。
この仕事を始めたばかりの頃に、帰ってきた親御さんに1日の引き継ぎをしてたら、親御さんが涙ぐんでしまったことがあったんです。
その日は私がお子さんを病院に連れて行ったので、お医者さんから指示のあったお薬について親御さんに伝えていた時でした。1日気がかりだったお子さんの様子を聞き、少し安心された様子で…親御さんも子育てとお仕事の両立で、いっぱいいっぱいな中、本当に頑張っていらっしゃるんだなと思いました。
その時、どこまで私が良い言葉がけができたかは分かりませんが、その日が転機となって、頑張っている親御さんに寄り添えるような病児保育をしたいと、より強く意識するようになりました。
朝の忙しい時間帯に訪問するので、緊張感が漂う瞬間もあるんですが、その経験のおかげで、「親御さんはきっと毎日一生懸命頑張っていらっしゃるんだから、私自身が安心を与えられる人になろう」と思い向き合うことができています。
一生懸命に働いている親御さんの力になれるってすごくやりがいがある素敵な仕事だと思っています。これからも相手に寄り添う病児保育を大切にしたいです。
自分のライフステージに合わせて、働き方が変えられます
長くご活躍いただいていますが、お仕事を続けられる理由は何でしょうか?
随時、本部に相談できるというのが、大きいと思います。ちょっとお熱が上がったとか、咳がひどくなったとか、話を聞いてくれる人がいるっていうのは、すごく心強いですよね。
また、私の場合、日々の保育のサポートだけでなく、働き方の相談に乗ってもらえたことも助かりました。
実は母が去年、年末に入院して、退院しても急変する可能性があると言われたんです。普段はデイサービスを利用しているのですが、何かあったときにシフトを減らしてもらえないか、本部に相談したんです。
急な相談だったのですが、嫌な顔をせずに快く「いいですよ、何かあったら相談してください」って言ってもらえたんです。今は孫が産まれたこともあって娘の手伝いがしたいので、週2日勤務で働いています。
週4日、週5日の月給制の方でも、週2日の時給制の働き方に変えられたり、逆に時給制から月給制の働き方に変えられたりできるので、自分の生活に合わせて柔軟に働けることが、仕事を続けられる大きな理由の一つですね。
一人ひとりの保育の違いが毎日の学びになります
これからの目標があれば教えてください。
やはり、1日1日、1人1人のお子さんや親御さんに寄り添っていくことです。
朝、親御さんからお子さんの情報を引き継ぐ際にきちんとお子さんの病状を把握して、お子さんの性格や病状に合わせて、少しでも回復に迎えるような手助けをしたいと思っています。
既往歴があるのお子さんは今はまだ担当していませんが、自分で少しでも調べて、いずれお手伝いできるように、少しずつ勉強したいです。
スタッフも一人ひとり違うし、保育の仕方も関わり方も違うところも、とても勉強になります。
先日、1、2年前に訪問したお子さんのお家に伺ったんですが、前はお薬を嫌がっていたのに、「バイキンをやっつけられるね」って話しているうちにすっと飲んでくれたんです。
お子さん自身の成長も感じたし、私が行くまでに何人か別のスタッフが訪問していたので、きっとその方たちの声掛けも良かったんだろうなって思いました。
なかなか同じお子さんの保育を担当することってないんですが、よくフローレンスを利用されているお子さんから「伊地知さんが来てくれたから安心して任せられた」とか、「フローレンスさんだから誰が来ても安心できる」と言われると、とても嬉しくなります。
最後に一言、病児保育を目指す人へメッセージをお願いします
この仕事を頑張ろうと思って入社した方には、とても優しい会社だと思います。相談に乗ってくれる人もいるし、入社後の研修もしっかりしているし、助けてくれる人もたくさんいます。
病気のお子さんを預かる仕事なので、病気の経過はきちんと見ておく必要がありますが、一人で判断できない瞬間もあるので、自分だけで頑張りすぎず、迷ったら本部に相談しながら一緒に進められる人のほうが向いているかもしれません。
私自身も一人で完璧にできるわけではないので、一人で訪問はするけど、周りにも手助けを求めながら、ここまでやってこれました。
もし迷っている人がいたら、ぜひ飛び込んでもらえたらと思います!