これまでのご経歴を教えてください。
新卒で幼稚園教諭としてキャリアをスタートしました。その後、結婚を機に一度家庭に入り、専業主婦として過ごしていたのですが、自分の出産を機に大きな心境の変化があったんです。
実は独身時代、「言葉を話せる年齢の子じゃないと関わるのは難しい。赤ちゃんは言葉が通じないし、抱っこするのも緊張する……」と思っていました。ところが、いざ我が子を産んでみたら、赤ちゃんのあまりの愛らしさに衝撃を受けてしまって(笑)。
「赤ちゃんに関わる仕事がしたい!」と一念発起し、保育士の資格を取得。保育園でパート勤務からスタートし、のちに正社員になりました。
保育園では念願の乳児クラスを希望しました。最初は一日中おむつを替えているような毎日でしたが、それもすごく楽しくて。
また、保育園での勤務は、一人の保育者として視野を大きく広げてくれました。自分の子育てだけでは経験しなかったアレルギーへの対応や、こどもによってミルクの量が違ったり好みの温度が違ったり、一人一人全く違う個性があることを実感しました。
病児保育で働き始めてからも、同じ歳のこどもでも成長段階がそれぞれだったり、電車好きだろうと想定して伺ったら恐竜が好きなこどもだったり、その子に刺さるものが一人一人違う毎日の中で、保育園で働いていなかったらこの仕事はできなかっただろうな、保育園でいい経験したなと思っています。
フローレンスの病児保育へ転職を決めたきっかけは何ですか?
長く保育の現場に身を置いてきましたが、年齢を重ねるごとに「このまま60代まで体力が持つだろうか」という不安が大きくなっていました。
当時の保育園では、日々の保育以外にも行事の準備や、苦手なパソコン作業、そして膨大な「持ち帰り仕事」に追われていました。わたしはただ、こどもたちとじっくり触れ合いたいだけなのに、保育を離れて仕事をしなきゃいけない場面が多くありました。また、夏の水遊びや、冬の公園遊びなど、思いっきり走り続けなきゃいけない場面でも、体力的に厳しさを感じていました。
50代後半を迎え、「これが最後の転職」と決意して見つけたのが、フローレンスの訪問型病児保育でした。
一人ひとりに寄り添ってみたいという新境地への興味もありました。ただ、ベビーシッター業界はなかなか固定給でもらえる仕事がないんですよね。自分で仕事を取ってマッチングして、確定申告も自分でしなきゃいけないとか。わたしはちょっと雇われたい、ちゃんと固定給でいただきたいという気持ちがあって、その望みが叶うのがフローレンスしか見つかりませんでした。
病児に接したことがなかったので「わたしにできるかな」という心配はありました。働き始めが58歳だったので、「この年齢で大丈夫なのかな、フローレンス側としてもわたしでいいのかな」という思いはすごくありましたね。でも入社してみたら、もっとベテランのお姉さま方もたくさんいて、皆さん本当に元気なんです。バックアップ体制も整っているし、皆さんとても優しくて、娘くらいの年齢の同期もいるけれど、一緒に楽しく働けています。

1対1の病児保育。集団保育と比べて、実際はどうですか?
保育園のときは「やってあげたくても細かく見ていられない」という悩みがありましたが、今は一対一なので思う存分遊んだり、じっくり向き合えることにすごくやりがいを感じています。
ただ、お預かりするのは病気のお子さんですから、遊びに行っているわけではなく、看病しに行っていると、自分を律しないと、と思っています。
変に興奮させちゃいけないし、静かに体を休めるような遊びをしていかないといけません。熱が急に上がってきたり、咳が止まらなくなったりと急変しやすい子もいるので、慎重に見ていく必要があります。自分のこどもの風邪の看病とは全然違って、寝ている状態でも絶対に目を離さないですし、看護力やリスクマネジメントの深さを学びながら、まだまだ勉強途中だなと思っています。
一方で、最大で10時間近く一人でお子さんを見るのは大変です。最後に親御さんから「ありがとうございました」と喜んでいただけたので、大変さも気持ち的にはチャラにはなったんですけど、身体的にはやっぱりしんどい日もあります。それでも、保育に専念できる環境なのがとてもよいです。
これまでの子育て経験や、保育士としての経験が活きたと感じる場面はありますか?
自分の子育てについては、大変すぎてあまり覚えていないんです(笑)。わたしは専業主婦としてこどもを育てましたが、当時は仕事との両立が難しかったので、「フローレンスの病児保育」のような仕組みがあれば両立したかったなと思います。今は子育てが完全に終わっているので、仕事一本に集中できています。
保育士として働いていた経験は、どの年齢のどのような子の依頼を受けても大丈夫という自信に繋がっています。幼稚園時代も含めてたくさんのこどもたちを見てきたので、「この年齢の子ならこんな塗り絵が好きかな」「折り紙でこれを作ってあげよう」と事前の準備が頭の中でイメージできますし、歌の引き出しもたくさんあります。自然と身についたこれまでの経験は、わたしの大きな財産だと思っています。
保育園時代より親御さんと関わる機会が多いですよね。
最近は在宅勤務の親御さんが増えていますが、「家にいるからこどもを見られるでしょ」とはいかない過酷さを肌で感じています。こどもが病気のときは、どうしても「ママ、ママ」とベッタリになってしまいますし、急変のリスクもあります。
そんな中で親御さんは会議に追われて本当に忙しそうにされているので、在宅勤務であってもわたしたちのような病児保育が絶対に不可欠なんだと強く実感しました。保育園時代には見えなかった、働く親御さんのリアルな視点を得られたことは大きいです。場所が家というだけで、仕事をしていることには変わりないから、助けになれたら嬉しいと思います。
また、災害や急変があったときにもすぐに声をかけられるので、親御さんが近くにいてくれるのは安心だなと捉えています。
同世代の方からの「体力的にやっていけるか不安」という声も多いのですが、どうやって乗り越えていますか?
一番大きいのは「週4日勤務」というところですね。週6日働いていたのに、今は週4日ですもん! 週5日だったらもしかしたら体力が保たないかもしれないですが、平日に1日休みがあるというのはとってもとってもよいです。
40~50代だと、お子さんも大きくなって、子育てが年々楽になっている方が多いのではないでしょうか。18:00までレスキューしてご飯が19:00になっても、泣いて待てない年齢ではないでしょうし、自分の体が休まる時間も作れるのではないかと思います。
遠方へ駆けつけるときも、わたしは電車が好きなので旅行気分で行っています。本当に疲れた日は「今日は贅沢して特急に乗って帰るぞ」と決めたり、早く駅に着いたときはカフェに寄るなど、各駅でのちょっとした買い物の楽しみを見つけながら、うまく体力を温存して乗り越えています。

スマホ操作が不安という声もよく聞きます。
スマホの操作に関しては、わたしは普段から使っていたので平気でした。最初はマニュアルを片手にやっていましたが、研修中も手放さずに、周りの若い人たちに「これどうやるの?」って教えてもらいながら1〜2週間で覚えられました。現場実習の間も、先輩スタッフの方に保育中に使うシステムを実際に触らせてもらえたので、そこでだいぶ覚えられましたね。よく使うアプリを1画面にまとめる工夫などもしています。
保育園のときは、忙しそうな人に質問しづらかったりしたのですが、転職してきてからは分からないことを聞きやすいと感じます。「何かありませんか?」「大丈夫ですか?」と声をかけてもらえるので、正直に「ダメです、分かりません」と言えます。自分から「教えて」と言いやすいし、先輩や研修担当の方からも、声をかけてもらえる雰囲気がありますね。
研修中に一度、駆けつけ先の家が見つからなくて、5分遅刻しそうになって泣きそうになったことがありました。そのときも先輩隊員の方が本当に優しくて、お子さんが寝ている間にスマホでの検索の仕方やマップへのピンの立て方を、ニコニコしながら教えてくれたんです。先輩がもう天使のようで、本当に素敵で「この人たちについていこう」と思いました。
最後に、同じように保育園からの転職を迷っている同世代の方へメッセージをお願いします。
本当に皆さん温かくて!
例えば、先日初めて事例共有研修(オンラインのスタッフ研修)に参加したときも、他の保育スタッフの皆さんがZoom画面越しに拍手で大歓迎してくれたんです。この年齢になって、あんなに温かく迎えてもらえることなんてあんまりないじゃないですか。それが本当に嬉しかったです。
決して「楽な仕事」ではありませんが、だからこそ得られる一対一のやりがいがあります。「仲間がたくさんいる」と思って、フローレンスの扉をぜひ叩いてみてください。もし新しい仲間が来てくれたら、今度はわたしが全力の拍手で歓迎したいです。一緒に働けるのを楽しみにしています!
フローレンスの病児保育では、仲間を募集しています!
仕事と育児の両立を頑張る親御さん支援をしてみませんか?
40~50代の方も大活躍中です!子育て経験も保育士経験も活かして働いていただけます。
仕事帰りに便利な平日夜に開催中。転職希望時期や、現時点での応募意欲は不問です。「まずは話だけ」という方も大歓迎ですので、お気軽にお申し込みください。





