2012年から2017年にかけ、「働きがいのある会社」ランキングの常連だったフローレンス。
わたしたちはこの組織文化に揺るぎない自信を持っていましたが、組織も大きくなり今一度現在地を知るべく2023年に働きがいのある会社アンケートを再開、今年で3年目になりました。
わたしたちはアンケートで大事なのは結果ではないと考えます。
アンケートを通して声を聞いて終わりにするのではなく、具体的な行動に変え、その実感をまた聞き取る。
こうした積み重ねこそが、より良い組織のあり方をともに育んでいくコミュニケーションになると信じています。今回は、その改善プロセスを率先して実行している病児保育事業部の取り組みをご紹介します。
病児保育特有の「孤独感」や「事務局との距離感」が課題
昨年、訪問型の病児保育の現場から届いた声は、切実なものでした。
毎日異なるお子さんの元へ直行直帰で訪問し、1対1で1日を過ごす病児保育の特性上、どうしても保育スタッフであるおやこレスキュー隊員は孤独感を感じやすく、事務局との心理的な距離が広がっていました。
2024年度のアンケート回答結果は、その現状を物語っています。
【肯定的な回答が多かったもの=強み】
- 経営/管理者層は、よい仕事や特別な努力に対し、感謝してくれる
- 経営/管理者層は、仕事を進める上で失敗はつきものであると理解している
- わたしたちが会社全体で成し遂げている仕事を誇りに思う
【肯定的な回答が少なかったもの=課題】
- 経営/管理者層は、近づきやすく、気軽に話せる
- わたしは、この会社で長く働きたいと思う
- この会社では、精神的に安心して働くことができる
この結果から、病児保育スタッフであるおやこレスキュー隊員は仕事への評価・感謝は感じられている一方で、事務局スタッフの間には見えない壁があり、孤独による精神負荷が高い状態を読み取ることができます。
「働きがいのある会社」を目指して一緒に取り組みたい「3つの柱」
2024年の結果を受け、病児保育事業部は「おやこレスキュー隊員と事務局スタッフがともに取り組みたいこと」と「組織として整えること」を明確に分け、3つの柱を掲げました。
| ①互いに信頼し合える組織づくり ② やりがい、仕事が楽しいと思える職場環境・連帯感 ③ 長く働ける職場環境(働き方改善) |
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モットーは「自分たちの働きがいは自分たちで作る」。
事務局が一方的に決めるのではなく、「こういうこともできるのでは?」という現場の声を積極的に拾い上げる対話の姿勢を大切にしました。
2024年度に実施した具体的な取り組み
① 互いに信頼し合える組織づくり
現場と事務局をつなぐことを目的に「コミュニケーション改善省」を設立しました。
互いにリスペクトを持ち建設的なコミュニケーションを育むために様々な取り組みを実施してきました。
コミュニケーション改善省 スローガン
- 事務局とおやこレスキュー隊員は「一緒に仕事をする(ミッションを果たす)仲間なのだ」というお互いのリスペクトを表現する場にする
- お互いの業務や人となりの理解を深める機会を創出し、建設的なコミュニケーションを育む
- コミュニケーションの場での交流を通して、働くモチベーションを向上し、退職防止につなげる
週報の発信

コミュニケーション改善省では、双方向のコミュニケーションを重視しています。事務的からの一方的な発信ではなく、おやこレスキュー隊員からもコメントしやすい環境を整えるため、最適な発信ツールはなにか?というところから検討をしています。
週報には、おやこレスキュー隊員の人となりを知れるようなコーナーもあります。コメントも入れられるようにしており、双方向のコミュニケーションを大事にしています。

定期的な交流会

事務局主導ではなくおやこレスキュー隊員が主体で企画・進行することに。
「人となりを知ることで新たなつながりを作り、交流会を通しつながりを深めること」を目的とすることで、仲間、事業部の連帯感を感じられるようになりました。

② やりがい、仕事が楽しいと思える職場環境・連帯感
仲間や利用会員の皆さんから届く「ありがとう」を、孤独を感じやすいおやこレスキュー隊員にタイムリーに届ける仕掛けを作りました。
ピカリパット

仲間のピカリと光った素敵な行動を称賛し合う仕組みです。ピカリと光った素敵な行動をフォーム入力すると、おやこレスキュー隊員と事務局スタッフ全員が参加するチャットに投稿されます。
年に数回は強化月間と題し、仲間の素敵な行動を見つけ拍手を贈り合うことで翌日の活力になっています。

保育終了後アンケートの共有

保育終了後アンケートで届く、利用会員の皆さんからの感謝の声をタイムリーにおやこレスキュー隊員に共有するチャットを作成しました。親御さん、お子さんからの感謝がやりがいにつながっています。

組制度

お互いの住まいが近い隊員数名で小さな「組」を作り、日常的に交流しています。居住地域が近いと訪問先が重なることも多いため、「Aくんはこの遊びがお気に入り」「Bくんへの与薬はこの工夫でスムーズにいった」といった、具体的で実践的な情報共有の場にもなっています。
③ 長く働ける職場環境(働き方改善)
「フローレンスで長く働きたい」と思える組織には、処遇や働き方の改善が不可欠です。
処遇改善

わたしたちを含め、訪問型保育を行っている全事業者がもっと働きやすくなるような「仕組み作り」を都や国に働きかけています。制度そのものを変えることでおやこレスキュー隊員の処遇改善につながります。
昨年は手当額の増額を行い処遇面でも働き続けられる組織を目指してきました。
働き方改善

毎日違う場所へ駆けつける訪問保育。移動時間が日によって変わるのは、体力的に不安を感じるポイントかもしれません。
スタッフの負担が重くなりすぎないよう遠方の利用会員宅へ伺う日もあれば、ご自宅の近くへ伺う日も設けるなど、移動距離が偏らない範囲で調整を行っています。移動距離の偏りをなくす調整は、元おやこレスキュー隊員である事務局スタッフが保育現場を想って行う、一つのエールです。
訪問型病児保育は集中力が求められるお仕事。だからこそ、おやこレスキュー隊員一人一人が誇りを持ち、心と体にゆとりを持ってこどもたちと向き合えるよう、わたしたちはこれからもより良い環境づくりを追求し続けます。
毎日違う場所で、常に新鮮な環境で保育ができる。そんな変化のある働き方を、自分らしく楽しんでいるスタッフも数多く活躍しています。(スタッフインタビューはこちら)
またアンケートを通して届いたおやこレスキュー隊員の声に基づき、プライベートと仕事の両立を支援する制度の新設を行いました。
2025年の結果と、今後の取り組み
おやこレスキュー隊員の声を大切に、改善を地道に積み重ねてきた結果、2025年のアンケートでは全項目でスコアが上昇するという成果が得られました。
【肯定的な回答の改善率】
- 経営/管理者層は、近づきやすく、気軽に話せる:昨年比12%UP!
- 経営/管理者層は、よい仕事や特別な努力に対し、感謝してくれる:昨年比5%UP!
- わたしは、この会社で長く働きたいと思う:昨年比13%UP!
- この会社では、精神的に安心して働くことができる:昨年比8%UP!
今年度の「働きがいのある会社」アンケートの結果を、現場の生の声として届けるべく動画で共有したところ、おやこレスキュー隊員から大変嬉しい反響がありました。
テキスト以上に、動画は作り手の熱量を伴って想いが深く伝わり、「共に組織を創り上げていく」という連帯感をより強めることができたと感じています。実際に隊員からも、双方向のコミュニケーションを歓迎する声が寄せられました。
おやこレスキュー隊員から嬉しい声
- 今後伸ばしていきたいところや、事務局として対応していくこと、おやこレスキュー隊員も一緒に考えていきたいところが分かりやすくまとめてあって、より自分事として考えることができた!
- この組織の一員なんだと感じることができました。しかも結果もどの項目も上昇していて、皆で前進している雰囲気が感じられて前向きな気持ちになれました!
一方で、さらなる伸びしろとして、「決定事項の共有だけでなく、検討のプロセス段階から共有してほしい」という声も寄せられました。 この声は、立場を越えて「一つの事業を一緒に育てていきたい」という強い思いがあるからこそ。
この声から、「決まっていないことは、まだ決まっていない」という状況を含めてありのまま共有し、期待値のズレを防ぎながら情報をオープンにする。そんな新しい情報発信の形を、現在は試行錯誤しながら取り組んでいます。
一番重要だったのは「働きがいは現場も事務局も一緒に創る」というスタンス。
情報を可能な限りタイムリーに、かつオープンに共有する。その一つ一つの誠実な積み重ねが、今の「働きがい」を生んでいます。
一緒に「働きがい」を模索する仲間になりませんか。
フローレンスは、こども・子育てに関わる10以上の事業があり、これらの事業を育て推進する仲間を求めています。
「ビジョン実現のため、こどもたちのためにできることは何でもやる、どんどん動く」
そんなスタンスで現場と向き合い、事業の未来や自分たちの働きがいを一緒に創っていきませんか?




