こどもを取り巻く社会課題は、年々複雑になっています。
保育、医療、福祉、教育、行政、寄付、企業……
どれか一つの正解や専門性だけでは、簡単に答えが出ない問いばかりです。
フローレンスが向き合っているのは、そんな「簡単には解けない課題」。
だからこそわたしたちは、職種や立場、経験年数の境界を越えながら、多様な視点を持って考え続けられる組織でありたいと思っています。
その実践のひとつが、新卒2年目が主体となって企画・運営する研修プロジェクト「みんなのみらい塾」です。今回は、「やってみる!」を合言葉に、社会と向き合う力を育てるフローレンスならではの育成プログラムについてご紹介します。
「0」からイベントをつくるなんて、正直びびった
新卒2年目になり、同期との1年間にわたるプロジェクトがスタートしました。その名も「みんなのみらい塾」。
こどもや社会課題を中心にした幅広いテーマにて、フローレンスに必要な「学び」と「交流」の機会を創るべく、研修の企画・運営を行っています。
テーマ設定から登壇者の選定、集客、当日の運営まで、すべて「0から」自分たちの手で進めます。
正直、最初は「こんな大役を任されるなんて!」と戸惑いもありました。 でも、これこそがフローレンスの「新しいあたりまえをつくる」カルチャー。
社会の常識にとらわれない新卒ならではの視点を活かし、研修の企画や運営を通じて、わたしたちの手の届く範囲から社会を変えていくプロセスを経験しています。
配属先も通常業務も違う同期と、チームを越えて働くのは刺激的です。
部署も役割も異なる同期と一緒に動くことで、思いがけない発見や刺激があり、毎回新鮮な学びがあります。
「境界を溶かす」に込めた、わたしたちの願い
フローレンスには、保育・看護の現場スタッフや事務局、そして社外の支援者など、多様な立場の人々が関わっています。 時に生じる「立場や考え方の境界」を、みんなのみらい塾を通じて溶かし、一つのチームとして歩んでいきたい。そんな願いを込めて、わたしたちは2025年度のみんなのみらい塾コンセプトを「境界を溶かす」と決めました。

失敗もあった。でも、本業じゃないからこそ気づけたことも
同じく新卒で入社し、みんなのみらい塾の企画・運営を経験された先輩スタッフのライスさんに、プロジェクト経験がその後の成長にどうつながったのか聞きました!

ライス
「この世界に生まれてよかった」と誰もが思える社会にしたいと思い、2023年新卒入社。 主に個人寄付者からの問い合わせ対応を担当。寄付イベントのサポートや、安心して寄付していただけるよう、寄付金の管理や運用体制の整備にも取り組んでいます。
ライスさんが考えた企画:カードゲーム「From Me」で寄付について楽しく学ぼう
カードゲーム「From Me」を使い、寄付や投資、消費、貯蓄といったさまざまなお金の使い方が、自身のウェルビーイング(幸福)にどう影響するかを疑似体験する企画。ゲームでの体験を入り口に、寄付だけにとどまらず「社会課題」や「NPO」をより身近に捉え、自分たちにどのようなアクションができるのか、楽しく学べるプログラムを立案しました。
「みんなのみらい塾」企画・運営プロジェクトの中で、最大の壁は?

メンバーそれぞれが抱く理想を、一つのコンセプトに集約していくプロセスです。
各々の頭の中にある「こうあってほしい」というぼんやりとした理想を引き出し、その理想を実現するために「みんなのみらい塾」で何を実現するのか、メンバー同士で共通認識を持ちながら具体化する必要がありました。
もちろんその過程では、論点がズレたり時間がかかったりすることもありましたが、議論を重ねることで全員が納得できるような形が見えてきました。
そこで学んだのは、最初からすべてを完璧にしようとするのではなく、優先順位をつけ、ときには割り切って進めることの大切さです。
🎤1年間のプロジェクト経験を経て、得られたものとは?

相手に応じたコミュニケーションの視点と、走りながら改善していく力です。 プロジェクトでは所属事業部以外の方との連携が多かったので、他の事業部の方に何かを伝える際、相手が誰かによって前提知識、伝えるべき情報、ゴール設定が変わるのだと、強く意識するようになりました。
また、3〜4ヶ月周期での企画・運営を経験したことで、前回の振り返りをきちんと行う前に、次の企画へ進まざるを得ない難しさもありました。ですが、そのおかげでベストではなく「ベターな道」を突き進み、日々改善を積み重ねていく力が養われたと思っています。
外部の方とのやり取りを通じて、早めにスケジュールを立てて必要なタスクを整理して進める重要性を改めて実感できたことも大きな収穫です。
現役プロジェクトメンバーである、わたしの試行錯誤
わたしは、研修のテーマ設定に難しさを感じています。
フローレンスが掲げるビジョンに沿ったテーマで、こどもや社会にインパクトを与える。多岐に渡る事業を展開しているフローレンスだからこその難しさがあると痛感しています。
保育園での医療的ケア児の受け入れが進んだことを受けて、ダイバーシティが進む一方、「どう関わったらいいの?」と不安の声も届きます。
もっと身近に感じてほしいという想いから、医療的ケア児・障害児との多様な関わりやコミュニケーションを知ってもらう企画を行いました。
参加者からは、「障害児だからといって身構えることは必要なく、いつも接している赤ちゃんと同じようなコミュニケーションの取り方で良いと分かった」など、目指したい社会につながるコメントを多数もらいました!
複数の事業や職種があるフローレンスと、外部の様々な事業者や支援者が集合する機会だからこそ、普段実践してることが、他の参加者の学びになる。実は知らないだけで、お互いのスキルをこどもたちに活かせる場面が多く、刺激し合えることの重要性を学びました。

わたしたちが「みんなのみらい塾」で大事にしていること
学びを「学びっぱなし」で終わらせないことです。研修で得た視点や問いは、それぞれが関わる現場や業務、発信の土台になっていきます。直接的な答えが出なくても、「このやり方以外に選択肢はないだろうか」と立ち止まる力そのものが、日々の仕事に影響を与えるのではないかと考えています。
また、組織の中だけで考え続けることの限界もあると思い、今年度は、あえて社外の方を招くことにもチャレンジしています。
社外から参加いただくことで、外の世界の視点に触れ、自分たちの前提やあたりまえが揺さぶられ、こどもたちや社会に届けられる選択肢が広がると信じて挑戦しています!
新卒育成チームが語る、あえて新卒2年目に”任せる”理由
わたしたちは、新卒2年目メンバーに対して、「未来のフローレンスを担う人材に成長してほしい」という強い期待を持っています。
フローレンスのビジョンやミッションを実現していくためには、若手のスタッフならではの柔軟で斬新な発想や、何事にもチャレンジする姿勢が必要不可欠です。
そのため、新卒2年目という早い段階において、アイデアを出し合ってゼロからイチを生み出す機会や、そして現場や事務局、社内外を超えて、チームでやり遂げる機会を経験することで、アイデア力やリーダーシップ、チームワーク力など様々なスキルアップを図ります。
「みんなのみらい塾」は、新卒2年目にとって大きな挑戦です。成功することもあれば、失敗することもあります。ただ、育成チームとしては、それでもよいと考えています。成功しても失敗しても、そこから何を学ぶか、次に何を活かすか、そしてまたチャレンジするというサイクルを回すことが、「みんなのみらい塾」の企画・運営を通じた育成において最も重要であると考えています。
そういった一つ一つの経験や学びを糧として、未来のフローレンスを担う人材として成長していくことを期待しています。
次は、あなたの番かもしれない。
フローレンスでは、新卒/中途入社や経験に関わらず挑戦できる環境があります。今回、ご紹介した「みんなのみらい塾」の企画・運営をはじめ、所属部署の業務に留まらないプロジェクトを通じて、成長できる機会が多いです。
わたし自身、学生時代には、2年目という早いタイミングで、社内外巻き込みイベントの企画立ち上げをしていると思っていませんでしたが、大変ながらも楽しく頑張っています。
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